50代から始める趣味活 ~金継ぎ編~
金継ぎは、割れたり欠けたりした器を漆で修復し、その部分を金で装飾する技法のことです。
日本文化として古くから根付いていましたが、近年は、コロナウイルスによるおうち時間の増加や、SDGsの取り組みに対する関心の高まりから、さらに注目が集まっています。
日々の生活に金継ぎを取り入れて、物を大切に使っていきましょう。
壊れた器は直せる「金継ぎの基本講座」
金継ぎは、高度な技術を持ち合わせていなくても、道具さえあれば誰でも挑戦することができます。
ここでは、「大人のおしゃれ手帖特別編集 簡単! おうちで金継ぎ」をもとに、金継ぎの基本的な手順をご紹介します。
①ひびや割れを補修
金継ぎの事前準備として、まずは器の形を整えましょう。
器にひびが入っている場合は、そのひびに沿って漆を塗り、24時間以上乾かします。完全に乾いたら、カッターなどを用いて、はみ出た余分な漆を除去。表面がなめらかになるまで漆を切り取るようにしてください。
器が割れている場合は、元の形になるようにかけらと器を組み合わせ、その断面に強力接着剤をつけます。かけらがくっついたら完全に固まるまで乾燥させましょう。器の表や裏面にはみ出した余分な接着剤は、紙やすりやカッターを使って削り取ってください。
削る際に出た粉は、きれいに拭き取っておくとよいでしょう。
②色をつくる
漆と金の粉を1:1の割合で豆皿などの容器に入れます。
塗りやすい粘度にするために、うすめ液を数滴たらして漆の濃度を調整しながら混ぜ合わせましょう。竹串の尖っていない方を使って混ぜるのがおすすめです。
③色を塗る
竹串の先端に②でつくった色をとります。
器に入ったひびや割れのつなぎ目をなぞるように線を引き、色を塗り重ねていきましょう。
ひびや欠けのラインが隠れるまで塗るのがポイントです。
④乾燥
1~2日くらいおいて、よく乾かしたら完成です。
基本の手順はたったこれだけ。
作業工程が少ないので、不器用さんでも心配ありません!
美しい作品に仕上がる「金継ぎの魅力」
金継ぎは、市販の器を唯一無二の物に生まれ変わらせるだけでなく、アクセサリーなどのハンドメイド作品に活用することもできます。
割れた食器に金継ぎを施して、新たな作品に仕上げたというkinntugiさん。
白一色だった器に金色のラインが入ることで、味のある風合いが生まれています。
金継ぎは、割れ方によってデザインが変わるため、一つとして同じ作品にはなりません。
繕う人の個性が作品に反映されるのは、金継ぎならではの魅力です。
6002kinaさんは、金継ぎで手づくりアクセサリーにアレンジを加えました。
シーグラスと陶器のかけらを選んでつなぎ合わせることで、オリジナル作品が完成! シンプルな組み合わせのアクセサリーも、金継ぎを施すことで美しく華やかになります。
金継ぎで物を直したときの達成感はもちろん、想像力を働かせて作品をつくる楽しさも感じてみてください。
道具をそろえて、いざ挑戦!
「おすすめの金継ぎアイテム」
金継ぎに興味がわいた方におすすめの初心者向けアイテムをご紹介。
ぜひ参考にしてみてください!
宝島社
「素敵なあの人特別編集 欠け・ヒビも簡単にお直し!
はじめての金継ぎ【金継ぎキットつき】」
これさえあれば金継ぎが始められる豪華付録9点セット。
合成漆なので、かぶれを気にせず使うことができます。
こだわりはオリジナルの補修材。粘性の高いパテが器になじみやすいため、簡単に修復しやすいのがポイントです。
値段:¥4,180 円(税込)
https://tkj.jp/
金継ぎラウンジ
「簡単金継ぎキット(スターターキット)」
金継ぎのワークショップを開催する金継ぎ専門店が監修したスターターキット。
必要最低限の材料がすべてそろっていて、初心者にぴったりの商品です。
付属しているオリジナルポーチに道具が収納できるので、保管場所をとらないのも◎。
値段:¥5,500(税込)
https://kintsugi-lounge.shop/items/5c37f384c3976c53d0e39638
堤淺吉漆店「金継ぎコフレ」
シンプルでスタイリッシュなデザインの「金継ぎコフレ」。
合成樹脂を使用していないため、天然漆と純金粉の本格的な金継ぎに挑戦できます。
作業日ごとの工程をまとめた説明書と動画解説つきなので、金継ぎの知識が0でも大丈夫!
値段:¥16,500(税込)
https://www.kourin-urushi.com/?pid=140374544
写真:町田益宏
金継ぎは、ひびや欠けを直すだけでなく、オリジナルの作品づくりにも役立ちます。
新たな趣味として始めてみてはいかがでしょう。
構成/大人のおしゃれ手帖編集部
画像素材/PIXTA・写真AC
※「大人のおしゃれ手帖特別編集 簡単! おうちで金継ぎ」参照
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