人には聞きづらい「フェムゾーン」の悩み
50代女性必見の正しいケアとは?
更年期になると、女性特有の下半身トラブルが増えてきます。
自分ひとりで悩むことなく、残りの有意義な人生のためにも、今すぐ始めたいフェムケアを考えてみましょう。
教えてくれたのは・・・
産婦人科医
吉形玲美先生
浜松町ハマサイトクリニックにて診察のほか、予防医療研究にも従事。
尿トラブルを含むフェムケアなど、女性のホルモンマネージメントを得意とする。
著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社)など。
自分で見て確かめて正しいケアを知ること
人に聞くのは恥ずかしいけれど、フェムゾーンのかゆみやにおいなどの悩みは多いもの。
「更年期のあるあるです。これらの症状も、女性ホルモン・エストロゲンが加齢により低下し、腟内フローラの乱れによるものと考えられます。
改善するには、日々行う腟のケアがカギに。
とはいえ、自分の目でフェムゾーンをしっかり見たことがある、日々触って構造をチェックしているという人はあまり多くないと思います。
フェムゾーンの変化に気づくためにも、自分で見て触って、ケアすることが大切です。
実は、お風呂でしっかり洗っているという認識の人に多いのがボディソープ使い。
においが気になるからとボディソープを使ってゴシゴシこすったりすると、雑菌の繁殖や炎症の原因になり、かえって症状を悪化させることにも。
フェムゾーンはとてもデリケートな部分なので、専用の洗浄料を使い、目で見てチェックしながら指の腹でやさしく洗いましょう。
その後は、専用アイテムでしっかり保湿を。
乾燥しているとトラブルを招きやすくなるのは、顔の肌もフェムゾーンも一緒です!」
更年期のQOLを上げよう!
読者が抱く疑問に答えます
Q1. 最近耳にするVIO脱毛はしたほうがいい?
A. 不衛生な状態を避けるためにも毛の処理はしたほうが◎
「フェムケアの一環としてVIOラインの脱毛はありです。
毛がないほうがにおいの軽減にもつながりますし、汗や生理時のムレやかゆみからくるトラブルも回避できます。
クリニックでもセルフでも、脱毛後は保湿を忘れずに」
Q2. あまり見たことがないけれど上手にケアするコツは?
A. 開脚スクワットのようにしゃがんだ姿勢がケアしやすい
「つま先を外に向けて足を広げ、膝を曲げてしゃがんだ姿勢が◎。
ケアするときは、片方の手はフェムゾーンを支え、もう片方の手の指の腹を使ってケアをしましょう。鏡をフェムゾーンの真下に置くと、細部まで観察できます」
Q3. ケアを怠っていると病気になることはある?
A. 違和感を放っておくと腟炎や膀胱炎のリスクも
「GSMになると、腟と外陰部の萎縮とそれに伴う違和感や痛み、性機能障害、尿路機能に悪影響を及ぼす状態に。
放っておくと気づかぬうちに悪化し、腟の自浄作用も低下。
腟炎や膀胱炎などの病気リスクが高まります」
Q4. 摂取したほうがいい食べ物や飲み物は?
A. 発酵食品をとることで腸内も腟内も理想的な状態に
「腸内フローラが腟内フローラに影響を与えることが知られています。
理想的な腸内フローラのためには、発酵食品をとることに加え、善玉菌を増やすとされる食物繊維やエサになるオリゴ糖を含む食品を併せてとるといいでしょう」