人生折り返し地点
暮らしの整理術 〜part3 住まい〜
子どもの独立など家族構成に変化が訪れる50代。
住み替えタイミング、賃貸か持ち家かを検証します。
自分の持ち物は30㎡サイズにまとめる
特に戸建ての場合、ずっと暮らしている家は、ものがとても増えやすい環境。
生涯そこに住み続けられるならいいですが、捨てるのもお金がかかるので、住み替えの可能性があるなら、早いうちから手を付けて」(井戸さん)。
ちょうどよいのは、自分の荷物を30㎡のワンルームに入るくらい、コンパクトにしておくこと。
世代的に、嫁入り道具のタンスや、親の代からしまわれている人形や食器、来客用の布団や座布団など、明らかに不要なものは片付けてすっきり。
精神的にも負担の多い引っ越し、リフォームは早めに!
子どもが独立して広くなった家を住み替えたり、地元に帰ろうと思っているなら、精神的にも肉体的にも余力のある50代にするのがいちばん。
「年を取ってから急に環境を変えると、ストレスで体調を崩したり、認知症になってしまう場合もあります」(下村さん)。
仮住まいに移るような大規模なリフォームも、やるなら早めのほうがいいでしょう。
引っ越しには数十万円単位のお金がかかるので、年金生活になってからでは経済的にもダメージです。
せっかくお金をかけるなら、元気なうちにリフォームした家に住んだほうが、ハッピーに過ごせます。
マンションの買い替え、賃貸に移るか、検討を始める
老後のために住まいを移る場合、賃貸がいいのかマンション購入がいいのかは、ケース・バイ・ケース。
「以前は独身、高齢となると賃貸が借りにくいケースもありましたが、今は保証会社を利用することができます。ただ、手数料がかかりますし、引っ越すなら会社勤めしている間のほうが審査も通りやすいでしょう」(井戸さん)。
賃貸は、家のメンテナンスも大家の負担になるのがいいところ。
ただし、家賃のほかに更新料がかかってくるのも計算に入れて。
元の家を売却した資金でマンションを買い替える場合も、管理費、修繕積立金などが今後上がっていく可能性もあります。
中古物件は、管理組合の財務状況も調べられるとベターです。
お話を伺った方
ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士
井戸美枝さん
講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題、年金・社会保障問題について解説。
近著に『お金がなくてもFIREできる』(日経プレミアムシリーズ)など。
ライフオーガナイザー®、ファイナンシャルプランナー
下村志保美さん
夫の転勤で海外生活を経験し、本当に必要なものだけで暮らす生活を実践。
セミナーや個人レッスンで活躍。
著書に『片づけのプロが教える心地いい暮らしの整え方』(三笠書房)。
イラスト/篠塚朋子 文/田中絵真
大人のおしゃれ手帖2022年12月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
この記事のキーワード