【注目の展覧会】日本の美意識とチャレンジ精神
「卒寿記念　人間国宝鈴木藏の志野展」

会場を訪れた鈴木藏さん

すずきおさむ　1934年、岐阜県土岐市生ま
れ。日本を代表する陶芸家。荒川豊蔵（1894-
1985）に続き二人目の「志野」における重要無
形文化財保持者（人間国宝、1994年、59歳のと
きに認定）。

「自分の作品を見るのは恥ずかしい。ああすれば、もっとこうすればよかったのかなあ」という、ご自身の展覧会を訪れた鈴木藏さんの言葉が印象的でした。
「志野は日本人の感性や美意識が凝縮された、最も日本的なやきもの」と鈴木さんは常に言い続けています。
「歴史も古くいちばん優れたやきものを生み出したのは中国だと思います。中国のやきものは端正な優れたものが多い。対して日本のやきものは、ゆがみを持つ。けれども不均整なものであるほど広がりがあり、表現の内容は深くなるのだと思います」（鈴木さん）

志野に込められた美意識と現在進行形のチャレンジ精神、ぜひ実物を目にして感じとってほしいと思います。

卒寿記念　人間国宝鈴木藏の志野展

会場／国立工芸館（石川県金沢市）
会期／2024年6月2日（日）まで
開館時間／午前9時30分～午後5時30分 ※入館は閉館の30分前まで
観覧料／一般 1,000円／大学生 600円
お問い合わせ／050-5541-8600（ハローダイヤル）
https://www.momat.go.jp/craft-museum/

巡回情報
【北海道展】江別市セラミックアートセンター　2024年6月15日（土）～7月28日（日）
【山形展】東根市美術館　2024年8月10日（土）～10月14日（月・祝）
【富山展】富山県水墨美術館　2024年11月22日（金）～2025年1月19日（日）
【岐阜展】岐阜県現代陶芸美術館　2025年3月29日（土）～6月1日（日）
＊会期、会場は変更になる場合もあります