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大人のおしゃれ手帖 12月号

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大人のおしゃれ手帖
2024年12月号

2024年11月7日(木)発売
特別価格:1650円(税込)
表紙の人:天海祐希さん

2024年12月号

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愛しい時間が絆をつくる
【柳葉敏郎さん × 飯島直子さん】
再会を果たした新作映画で、おふたりの心に蘇った思いとは?

愛しい時間が絆をつくる 【柳葉敏郎さん × 飯島直子さん】 再会を果たした新作映画で、おふたりの心に蘇った思いとは?

何もかもが新鮮で、ときめいていたあの頃―そんな輝かしい青春の時をともに過ごした相手とだけ分かち合える、特別な空気があります。
90年代から共演を重ね、心通じ合う間柄となった柳葉敏郎さんと飯島直子さん。
20年あまりの時を経て再会を果たした新作映画で、おふたりの心に蘇った思いとは?


柳葉敏郎さん(以下、柳葉) (カメラに向かいながら)……恥ずかしいなぁ。今までこんなに近づいたこと、なかったよな?

飯島直子さん(以下、飯島) ありましたよ! だって私たち、これまで2回恋人同士の役をやったんですから。そのうち一度は私が殺されて、柳葉さんが号泣しながら私を抱き上げて去る場面があったでしょ?(『沙粧妙子―最後の事件―』1995年放送)ギバさんの集中力があまりにすごくて、私、もう死んでるのについ涙が流れちゃったんですよ。かっこよかったなぁ。

柳葉 言っとくけど、あれ芝居だからな? まあ、でも……愛してたよ(笑)。

飯島 (笑)だから今回、すごく久しぶりに共演できて本当にうれしかったです。それに、あの室井慎次に会えたんですから。

ギバさんが挑戦するなら、私も!人間味に触れ、心が動かされました

柳葉 「踊るプロジェクト」で新作をと言われたときは、正直言うとやりたくなかったんです。俳優として、室井慎次という役のイメージだけで見られたくないとも思ってたし。でも、プロデューサーや脚本家、スタッフの方々と話し合いを重ねていく中で、プロジェクトに賭ける彼らの熱さに負けました。思い入れがもう、半端なくて。

飯島 私は今回が初参加。お話をいただいたことにも驚きましたが、何よりも「ギバさん、やるんだな……」って。だったら私も絶対に参加したい!と思いました。

柳葉 (秋田のイントネーションで)優しいねぇー、直ちゃんは。相変わらず。

人から受け取るものを大事に。年齢を重ね、やっとそこに気がついた

飯島 フフフ。私が演じている石津紀子は、村の中で唯一といっていいくらい、新参者の彼を温かく迎えている人。自分の夫や村の人たちが室井さんを寄ってたかっていじめる中でも、常に「まぁまぁ」って。

柳葉 昔からの慣習に囚われて虚勢を張ってる男たちと違って、いろんなことを客観的に見てるし、空気を和らげてくれる大人の女性なんだよね。本当、最高だったっす。

飯島 室井さんは今回も本当に寡黙なんだけど、そこには一本筋が通っていて、一方で引き取って一緒に暮らしている子どもたちや犬に見せる表情には、すごく人間みが感じられて。自然の中で撮影をしたこともあってか、これまでとは違ってとても……何というか、まろやかに見えたんです。

柳葉 それはあるだろうね。彼の黒いスーツとコートは鎧のようなもので、今回はそれを脱ぎ捨てた裸の室井の話だから。でも、湾岸署で青島たちといた頃からずっと、室井は室井だけで存在していたわけではなく、周りに人がいてはじめて彼という人が存在できていたんですよ。それは僕も同じで、この仕事をしていていつも思うのは、お芝居ってひとりじゃできないんだなぁってこと。

飯島 本当に。そうですよね(深く頷く)。

柳葉 周りの人がくれる硬かったり柔らかかったりする刺激があって、それを受けて自分がどう反応するかってことだから、人から受け取るものは大事にしなくちゃなぁと……まあ、これは年をくって、やっと思えるようになったことかもしれないけど。

飯島 うん、うん。若い頃はそんなに周りのことばっかり考えていられないし……でも、楽しかったですけどね、あの頃。世の中にはまだバブルの名残があって、仕事でも、いろんな新しい挑戦ができた時代で。

柳葉 楽しかったよなぁ。東京で何かしてやろうと思って出てきた自分には、ひとつひとつの経験がどれも最高の時間だった。

飯島 「ジョニー」(一世風靡セピアでの柳葉さんの愛称)って、今でも呼びたいし。

柳葉 それを言うなって!(笑)。でも、僕は同業者とプライベートで会わないほうだったけど、直ちゃんは友だち多いだろ?

飯島 いえいえ。たくさんの方と共演させていただきますが、もう一度会いたい、仲良くなりたいって思える人はやっぱり大事にしたいなと……。今回も柳葉さんが、20年近くも会ってなかったと思えないくらいの雰囲気を醸し出してくれたから、私も自然に接することができたんだと思います。

柳葉 だって、愛してるからな(笑)。

飯島 私も!(笑) いつかまたあんなふうに私を抱き上げてくださいね(笑)

〔 映画 〕 『室井慎次 敗れざる者』 『室井慎次 生き続ける者』 脚本:君塚良一 プロデュ―ス:亀山千広 音楽:武部聡志  監督:本広克行  出演:柳葉敏郎 福本莉子 齋藤潤 前山くうが・前山こうが  矢本悠馬 生駒里奈 丹生明里 佐々木希 飯島直子 ほか  『室井慎次 敗れざる者』 公開中 『室井慎次 生き続ける者』 11月15日(金)全国東宝系にて公開 ©2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

〔 映画 〕
『室井慎次 敗れざる者』
『室井慎次 生き続ける者』

《俺は負けたんだ。だからここに逃げてきた》キャリアを捨て故郷で静かに暮らす男に、再び運命の時が―。傑作テレビドラマ『踊る大捜査線』から続く「踊るプロジェクト」待望の再起動作は、不屈の男・室井慎次の魂の再生の物語。「自分の歩みを振り返る年代の皆さんには、きっと感じていただけることがあると思います」と柳葉さん。10/11、11/15にそれぞれ公開。

脚本:君塚良一 プロデュ―ス:亀山千広 音楽:武部聡志 
監督:本広克行 
出演:柳葉敏郎 福本莉子 齋藤潤 前山くうが・前山こうが 
矢本悠馬 生駒里奈 丹生明里 佐々木希 飯島直子 ほか 
『室井慎次 敗れざる者』 公開中
『室井慎次 生き続ける者』 11月15日(金)全国東宝系にて公開

©2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝


俳優・柳葉敏郎さん
1961年生まれ。俳優を目指し秋田から上京、80年代は「一世風靡セピア」メンバーとしても活動。90年代より数々のドラマ、映画に出演。最近の出演作に連続テレビ小説『ブギウギ』など。

俳優・飯島直子さん
1968年生まれ。90年代より数々の人気映像作品に出演。バラエティー番組でも人気を博す。最近作に、土曜ナイトドラマ『伝説の頭 翔』、BSフジ『飯島直子の今夜一杯いっちゃう?』など。


撮影/久富健太郎 スタイリング/佐藤ミサキ(柳葉さん), Eri Nagumo(飯島さん) 文/大谷道子

大人のおしゃれ手帖2024年11月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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