ファッションやインテリアも必見、おしゃれなミステリー映画3選

『私がやりました』© 2023 MANDARIN & COMPAGNIE – FOZ – GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA – SCOPE PICTURES – PLAYTIME PRODUCTION

　ミステリー映画のなかには、ファッションやインテリアが素敵な作品がたくさんあります。今回は、現代のフランス映画界きってのハイセンスな作家として人気の高いフランソワ・オゾン監督の『私がやりました』ほか、おしゃれな世界観も楽しめるミステリー映画を3作紹介。謎解きや犯人探しのスリルとともに、映像美も楽しんで！

華麗な装い＆シスターフッドを楽しめるフレンチ・ミステリー
『私がやりました』

　『スイミング・プール』『8人の女たち』などの人気作で知られるフランソワ・オゾン監督によるクライムミステリー。舞台は、1930年代のフランス。パリの豪邸で起きた有名映画プロデューサーの殺人事件。容疑者は売れない新人女優のマドレーヌ（ナディア・テレスキウィッツ）。彼女はプロデューサーに襲われたため、抵抗して撃ってしまったと供述。親友の若手弁護士ポーリーヌ（レベッカ・マルデール）と共に法廷に立ち、涙ながらに感動的なスピーチを述べ、正当防衛で無罪を勝ち取ります。

　スキャンダルを逆手に取り「悲劇のヒロイン」としてスターの座を駆け上がっていくマドレーヌですが、ある日、落ちぶれた元大女優のオデット（イザベル・ユペール）が現れます。彼女は、彼を殺したのは自分で、マドレーヌたちが得た富と名声も自分のものだと主張。女たちは「真犯人の座」をかけて駆け引きを始めますが……。

　現代の#MeToo運動を盛り込みながら、マドレーヌとポーリーヌの共闘や友情、女性の力を華麗に描き出した本作。ファッションも素敵で、特に容疑をかけられたマドレーヌが法廷で何を着るかをポーリーヌと打ち合わせするシーンが印象的。自分をどのように見せるかを考えたうえで法廷に立ち、見事に演じ切ります。

　そして、売れっ子になるにつれ華やかになる二人のファッションに心躍ります。また、元大女優は滑稽なほどゴージャスな装いで登場し、マドレーヌたちの立場を危うくしますが、はたして3人は対立するのか協力するのか、鮮やかなストーリー展開は見てのお楽しみ！