カテゴリー

人気タグ

大人のおしゃれ手帖 6月号

大人のおしゃれ手帖

最新号&付録

大人のおしゃれ手帖
2025年6月号

2025年5月7日(水)発売
特別価格:1540円(税込)
表紙の人:木村佳乃さん

2025年6月号

閉じる

記事公開日

この記事の
関連キーワード

大人のおしゃれ手帖
の記事をシェア!

加藤浩二さんが映画監督デビュー!
「この映画、イマイチだった」なんんて二度と言いません(笑) 
加藤シゲアキさんとW加藤インタビュー 

加藤浩二さんが映画監督デビュー! 「この映画、イマイチだった」なんんて二度と言いません(笑)  加藤シゲアキさんとW加藤インタビュー 

この記事の画像一覧を見る(2枚)

新しいことに挑戦し、未知の自分を知る―大人になっても、世界を広げていきたいもの。
お笑いMCに加え、俳優としても存在感を示す加藤浩次さん、映像や舞台に出演しつつ小説家として着実に歩む加藤シゲアキさんが、ともに短編映画の監督に。
ものづくりと人間関係の深いつながりを語りました。


笑いの間も、人柄も。作品には浩次さん自身が反映されていますよね

加藤浩次さん(以下、浩次) 映画はずっと好きで観てたんですが、撮ったのは初めて。めっちゃ難しかったですね!世にいる映画監督って、すごい人たちなんだなと思いました。「この映画、イマイチだった」なんて言うのは、二度とやめようと。

加藤シゲアキさん(以下、シゲアキ) あ、何だか映画に優しくなってる(笑)。

浩次 だって、監督って全部自分で決めなきゃいけないじゃない?作品になってる時点ですごいんだよ、本当に。

シゲアキ 浩次さんの作品、拝見しました。おもしろかったですよ。シチュエーションコメディだとうかがっていたんですが、笑いと笑いの〝間〟が独特で、へぇー、こんな脚本を書かれるんだ、こんな撮り方をされるんだって……。映画にはどうしても監督のキャラクターが出るものだと思いますが、笑いを作る感覚と浩次さんの生きざまが反映されているんだろうなと。

浩次 ありがたいですね、うまいこと言っていただいて(笑)。コントだと笑かしに行ってツッコミによってそれを増幅する流れになるんだけど、この作品では「何だこれ」「こんなやついるのか?」と、クスッとくるくらいの笑いにしたかったんです。でもね、撮影した映像をつないだら、30分あったのよ。15分に収めなきゃいけないのに!

シゲアキ ハハハ。僕は映画を撮るのは2回目ですが、前回は出演もほぼ自分ひとりだったので、今回は役者を入れること、そして、難しそうなアクションを撮ってみたいと思いました。小説はひとりでコントロールする世界なので、それとは違う何かに挑戦してみたくて。俳優には、映画の短い時間では描かれないキャラクターの人生をサブテキストとして作って渡し、なるべく伝えるようにしていました。

今度映画を撮るのなら、シゲアキくんのようにちゃんとやりたい

浩次 さすが。監督もだけど、俳優もすごいんだよね。俺が何も言わなくても、ちゃんと考えて「それだよ!」っていう演技をやってくれるんだから……。それに、スタッフの方々も。僕は最初だからプロデューサーの方に人選はお任せしたんだけど、ひとつだけ「人柄の優しい人を集めてください」ってお願いしたの。僕が萎縮するから。

シゲアキ えっ、浩次さんが萎縮?

浩次 するよ!ベテランの人に「こう撮ったほうがいいよ」って言われたら「そ、そうっすか」って(笑)。だから、話し合って一緒に作っていける方だといいなぁと。

シゲアキ 僕も、本当に多くの方に助けられました。普段、小説を書いている時は衣装も美術も全部自分ひとりでやっているようなものですが、映画だとこんなに手伝ってもらえるんだ!って。そしてやっぱり、人間関係がいいことは、間違いなく大事。映画だけに限らず、ものづくりの現場は、すべてそうあるべきだと思います。

浩次 そうだよね。若い頃は、人とちょっと何かあるといちいち「ん?」って突っかかってたけど、最近は受け入れる度合いが自分の中でも増えたのかもしれないなと思う。何ていうか、許す?それをやり始めると、めっちゃラクですね、生きるのが。

シゲアキ 確かに。

浩次 許すイコール負け、みたいに思う人もいるかもしれないけど、許すことによって自分がラクになる……相手のために許すんじゃなくて自分のために許せばいいんだという考えになれば、もっと世の中、ギスギスしなくて済むのになぁって。

シゲアキ そう思います。たとえばSNSでうっかりきつい言葉を目にしたりしても、イラッとしたら負けだなと。嫌な気分を引きずっている時間ももったいないので、「あの人もいろいろ苦しいんだね」って思うことにして……。そして、自分が間違っていると思ったときは、素直に謝る。許す、謝るが素直にできると、本当にラクですよね。

浩次 そんな場所で、また映画が作れたらいいなぁ。今度はシゲアキくんのように、ちゃんと尺が読める監督になりたい(笑)。

シゲアキ ぜひ一緒にやりましょう!浩次さんが監督で僕が脚本、その逆でも。どんな作品を作られるか、もっと見たいです。

〔 映画 〕 『MIRRORLIAR FILMS Season7』

〔 映画 〕
『MIRRORLIAR FILMS Season7』

メジャーとインディーズの垣根を越え、優れた短編作品を世に送り出す映画制作プロジェクトの第7弾。路駐した車が別の車に挟まれたことから始まる危機をシュールに描いた加藤浩次監督作『Victims』、砂が絡んだ奇妙な殺人事件に刑事たちが飲み込まれていく加藤シゲアキ監督作『SUNA』をはじめ、持ち味の異なるクリエーターが制作した多様で刺激的な5作品が揃う。本作品は、2025年春に東海市に開館する隈研吾氏設計の「東海市創造の杜交流館」オープニング作品として制作され、地域振興事業としても注目されています。

5月9日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国の劇場で2 週間限定上映
配給:アップリンク

©2024 MIRRORLIAR FILMS PROJECT

タレント・俳優 
加藤浩次さん
1989年、山本圭壱と「極楽とんぼ」を結成し、人気を博す。現在はTV 番組のMCやコンビ活動の他、俳優としても活躍。最近の出演作に映画『室井慎次 敗れざる者/室井慎次 生き続ける者』。

俳優・歌手・作家
加藤シゲアキさん
1987 年生まれ。アイドルグループ「NEWS」で活動しながら、俳優として数々の映像や舞台に出演。2011 年に作家デビューを果たし、21 年『オルタネート』で吉川英治文学新人賞を受賞。


photograph: Kentaro Hisadomi styling: Miku Ikeda(加藤浩次さん), Yukihiro Yoshida(加藤シゲアキさん)hair & make-up: Masaki Takahashi (加藤浩次さん), KEIKO[Sublimation] (加藤シゲアキさん) text: Michiko Otani

大人のおしゃれ手帖2025年5月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事の画像一覧

  • 〔 映画 〕 『MIRRORLIAR FILMS Season7』

この記事の画像一覧を見る(2枚)

この記事のキーワード

記事一覧へ戻る

大人のおしゃれ手帖の記事をシェア!

関連記事