井上芳雄さんと宮澤エマさんがナビゲート 「世界最高峰のパフォーマンスを目撃する。 トニー賞授賞式は 舞台芸術のオリンピックです」
アジアからの新風が、今後、世界のトレンドに?
さらにもう1作、井上さんが注目しているのが、韓国発のミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』。アジア諸国で制作されたミュージカルがブロードウェイで上演され、ミュージカル作品賞ほか複数の賞にノミネートされるのは初の快挙です。
「2020年に日本人キャスト版が上演された作品。僕は韓国の大学路(テハンノ)で観ましたが、200席くらいの小さな劇場で上演されていた作品がブロードウェイの大きな劇場で、マイケル・アーデン(俳優・演出家。井上さんも日本で『ガイズ&ドールズ』の演出を受けた経験あり)がセットも含めスケールアップして演出していました。今、勢いのある韓国のミュージカル界ですが、今回のノミネートでもしかしたら大きな節目を迎えるのかも……と予想しています」
最近、ソウルを訪問した際にも、現地での盛り上がりに触れ、大いに触発されたという井上さん。
「日本でもオリジナルミュージカルが作られつつありますが、韓国は資本参入も含めて、段階を踏みながらブロードウェイへの進出を達成している。いいなぁ、うらやましいなという思いもありますが、僕たちも焦らず、着実に行かなくちゃと思います」
日本発の作品も、2024年は『千と千尋の神隠し』がロンドン・ウエストエンドで上演され、さらにイギリスで新作として『となりのトトロ』が上演されるなど、コンテンツの世界的交流が進む昨今。日本人も含め、アジア系の躍進が世界で進んでいく未来に、宮澤さんも期待を寄せます。
「ハリウッドでもそうですが、ブロードウェイでアジアが題材になり、アジア系俳優がメインを張る演目が『ミス・サイゴン』のほかにいくつあるのか?というと、本当に数少ないのが現実。でも、今年のトニー賞では、アジア系演劇人たちの葛藤を描いた『イエロー・フェイス』が演劇部門のリバイバル作品賞ほか複数の賞の候補になるなどの動きもあって……。トニー賞は、アメリカの演劇界にこれだけのスキルと才能、努力が集まっているというすごみを感じさせるイベントでもあり、一方で、なかなか解決しない問題点や軋轢を突きつける作品も紹介され、それが世界情勢の理解へも繋がっていく。見終わっても余波の続くイベントだと感じています」
この記事を書いた人
ファッション、美容、更年期対策など、50代女性の暮らしを豊かにする記事を毎日更新中!
※記事の画像・文章の無断転載はご遠慮ください
Instagram:@osharetecho
Website:https://osharetecho.com/
お問い合わせ:osharetechoofficial@takarajimasha.co.jp
関連記事
-
-
-
-
-
-
PR
-
PR
-
PR