小説出版80周年記念!トーベ・ヤンソンの創作の世界を振り返り、代表作「ムーミン」シリーズの魅力に迫る「トーベとムーミン展」開催
1945年、第1作めの小説『小さなトロールと大きな洪水』が出版されてから80年。「ムーミン」の物語は、油彩画、風刺画、漫画、絵本、小説、壁画など、さまざまな作品を手がけてきたアーティスト、トーベ・ヤンソン(1914-2001)によって誕生しました。豊かな自然のなかで暮らす個性的なキャラクターたちはただ愛くるしいだけではなく、ナイーブな一面や思いやり、優しさ、哀しみ、寂しさなども素直に表現するその“人間味”から幅広い世代に支持され、今もなお世界中で愛され続けています。現在、六本木ヒルズ森タワー52階にある森アーツセンターギャラリーで開催されている「トーベとムーミン展〜とっておきのものを探しに〜」では彼女の多彩な作品やスケッチ、愛用品など約300点を通して創作を振り返り、寛容と多様性に満ちたトーベの多岐にわたる作品世界を紹介しています。
■トーベ・ヤンソン「遊び2(アウロラ病院小児病棟の壁画のためのコンペティション用スケッチ)」1955年
テンペラ、カンヴァス ヘルシンキ市立美術館 © Moomin Characters™ Photo © HAM / Hanna Rikkonen
「ムーミン」だけじゃない! アーティスト、トーベの創作世界を振り返る

年代ごとに並ぶ油彩作品の数々
生涯にわたり描き続けたという自画像をはじめとする人物画、彼女にとって愛すべきモチーフだった海など、年代ごとにずらりと並べられたトーベの油彩画は「ムーミン」の世界とはまたひと味違う印象。
■トーベ・ヤンソン「煙草を吸う娘(自画像)」1940年 油彩、カンヴァス 個人蔵
© Tove Jansson Estate Photo © Finnish National Gallery Yehia Eweis
多くの反戦風刺画を描いた『ガルム』誌
フィンランドの政治風刺雑誌『ガルム』で表紙画や挿画を描いたトーベ。実は1943年4月の『ガルム』誌にはムーミンの前身「スノーク」が登場しています。どこに隠れているか会場で探してみて。
■雑誌『ガルム』1945年イースター号 ムーミンキャラクターズコレクション © Tove Jansson Estate
トーベが手がけた壁画など、映像展示にも注目!

■トーベ・ヤンソン「フェアリーテイル・パノラマ」(左面)1949年 フィンランド・コトカ市
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この記事を書いた人
エディター/ライター久武ミキ
出版社、広告会社勤務を経て独立。女性誌、専門誌などでビューティー&ウェルネス、アートを中心に、ライフスタイルにまつわる記事を多数執筆。東京と鎌倉で2拠点生活をおくる猫好き編集者。






