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大人のおしゃれ手帖 11月号

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大人のおしゃれ手帖
2025年11月号

2025年10月7日(火)発売
特別価格:1640円(税込)
表紙の人:天海祐希さん

2025年11月号

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【50代で移住×生きがい発見】
「地域おこし協力隊」として、今こそ私らしい生き方を~安藤真紀子さんPR 総務省

大人のおしゃれ手帖編集部

【50代で移住×生きがい発見】 「地域おこし協力隊」として、今こそ私らしい生き方を【安藤真紀子さんの場合】

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第二の人生を新たな人間関係のなかでチャレンジしたい、いずれは移住も考えている……。そんな希望を持つ50代が増えています。そのきっかけとして近年注目されているのが「地域おこし協力隊」です。人口減少問題を抱える地域の活性化にも貢献できるこの制度、チャレンジ中の安藤真紀子さんに話を聞きました。

PROFILE・・・
安藤真紀子さん

東京都出身。大学卒業後、金融機関に勤務。出産後は、公認会計士の資格を取得し、監査法人や官公庁にて監査や検査業務に従事。趣味は登山、スキー、茶道など。2025年から「地域おこし協力隊」の制度を利用して、千葉県・匝瑳(そうさ)市に移住し、隊員として活動中。インスタグラム@newfarmer_sosa

「地域おこし協力隊」とは
「地域おこし協力隊」は、都市部から過疎地域などへ移住し、1~3年の任期で地域活性化に取り組む総務省の制度です。隊員は自治体の委嘱を受け、農林水産業や特産品開発、住民支援など、地域の実情に応じた多様な活動に従事します。任期終了後も約7割が同じ地域に定住し、起業する例も多く、新たな地域の担い手として期待されています。

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きっかけは、10年前から温めていた、農業に携わるという夢

2024年まで、官公庁に勤務していた安藤真紀子さん。第二の人生について考え始めたのは、子どもの手が離れた10年ほど前、40代後半。自分のやりたいことはなんだろうと考えたときに、浮かんできたのが農業でした。

「祖父母が住んでいた瀬戸内にある美しいミカン畑の風景、実家の両親が千葉で勤しんでいた家庭菜園のことがずっと心にありました。また、退職前の2年間は農林水産省で働いていたので、地方の過疎化や農業について考える機会が増えた影響もあります。『微妙なシルバー世代』である自分なら、今の農業と若い人の間に立って、つなぐ役割になれるのでは、と思ったんです」

【きっかけ】10年前から温めていた、農業に携わるという夢 現在は千葉県・匝瑳市の賃貸住宅に入居し、ひとり暮らし。家族が暮らす東京には、月に1~2回戻る2拠点生活です。

  • 安藤さん
    同世代の友人たちが、ここ数年、それぞれ自分のやりたい道に進んでいく姿にも、背中を押されました

50代から新規就農を本格的に始めたい! そこから「地域おこし協力隊」の制度に出合う

思い切って新規就農の相談窓口に行ったのは今から約2年前、56歳のとき。ところが、「この年齢からの新規就農は難しい、趣味で家庭菜園を楽しんだらどうか」というアドバイスを受けたそう。でもそのことでかえって、「自分がやりたいのは趣味ではなく、仕事としての農業なんだ」という思いを再確認します。
そこで、ほかの相談窓口から情報を得て検討したのが「地域おこし協力隊」でした。

「『地域おこし協力隊』なら、一律の年齢制限はなく、農業の任務もあるということを知りました。千葉県匝瑳市を選んだのは、実家が千葉にあること、東京と行き来がしやすいこと。そして、実際に訪れてみて自然豊かなこの土地に惹かれたからです。定年を迎える前に退職、夫や娘を東京に残して単身での移住を決意しました」

そしてついに2025年4月、「地域おこし協力隊」の着任と同時に移住が実現。現在は市内の賃貸住宅に入居し、ひとり暮らし。家族が暮らす東京には、月に1~2回戻る二拠点生活が始まりました。

「私が仕事を辞めてやりたいことを始めたいと打ち明けたとき、夫も応援してくれましたが、夫は都会での暮らしが水に合っているようだったので、移住は私ひとりになりました。子どもももう成人しているし、お互いそれぞれに暮らしやすい暮らし方ができるのもこの年代ならではかもしれません。匝瑳市は東京からほどよい距離というのも決め手になりました。

「地域おこし協力隊」として、農業を一から学び、地域の人とも積極的に交流

【地域おこし協力隊に任命】 農業については一から勉強。地域の人との交流も大切な活動

収穫した野菜をご近所におすそ分け。 「自分が誰でどんなことをやっているか」の名刺代わりでもあります。

収穫したピーマンをご近所さんにお届け。「そうすると、またお返しの野菜をいただいたりして…そんな温かいコミュニケーションも新鮮で嬉しいですね」。自分が作った野菜をお裾分けすることで、自分のことを知っていただけると同時に、どんなことをやっている者なのか、名刺代わりにもなります。

農業は初めてだったという安藤さん。移住後は、未経験ながら農業を勉強する機会にも恵まれました。将来は、匝瑳市で生産が盛んで、一年中栽培されている「ねぎ」の農家になるという目標を見据えています。今後は、地元の農家さんのもとで修業をさせてもらう予定とのこと。同時に、地元の農業関連のイベント運営に参加するなど、地元住民の方々とのふれあいを通して地域を盛り上げることも、「地域おこし協力隊」の大切な活動のひとつ、と言います。

「これまでの社会人生活を通じて、ひとりで乗り越えるのは困難に思える出来事が起こったときには、同僚や取引先との間に積み上げた信頼関係が、一歩踏みだす原動力になることを経験してきました。『地域おこし協力隊』は、まったく新しい環境に飛び込んでの活動となるので、まずは地域の方とのつながりを作り、信頼を得られるように心がけています」

周囲に対し、誠実な姿勢でいるという心がけが、今の活動にも生きていると感じているそう。

「近隣のご家族やお世話になっている地元の農業関係のお店の方などに、機会を見つけては挨拶に伺い、栽培した野菜などを届けて試食していただいたことで、地域の方々との距離が縮まったように思います。研修を受け入れてくださる地元の農家先が見つからず途方に暮れていたときも、日ごろからお付き合いしている地元の方々が動いて情報を集めてくださり、受け入れ先を探すことができました」

毎日、新しいことを覚えるのが新鮮。これからもっと地域を知りたい

地元のNPO法人が運営する「SOSA PROJECT “My 田んぼ”」の活動にも参加しています。匝瑳市内の里山に広がる田んぼに、東京など関東近郊からさまざまな地域の人が集まり、一緒に手作業で稲作を体験。

この日も自分に割り当てられた田んぼで雑草取り。田んぼに足をとられながら、雑草を手探りで取る体験は、農業の大変さとともに、愛しさも感じる作業。

毎日、新しいことをのが新鮮。これからもっと地域を知りたい NPO法人が運営する「My田んぼ」にも参加しています。東京など関東近郊のさまざまな地域の人が集まり、一緒に稲作を体験。

田んぼの雑草取りを終えたあと、仲間で企画したマルシェに参加し、収穫した自作の枝豆を配布。一緒に汗を流した仲間とも会話が弾みます。

安藤さんが移住先に選んだ千葉県匝瑳市は、東京から2時間ほどのアクセス。里山の風景を残しつつ、房総の海もほど近く、安藤さん曰く「ちょうどよいぐらいの田舎暮らし」ができるのが魅力。

「東京では都心に住んでいましたが、こちらで特に不自由は感じていません。今は、覚えることがたくさんあって、毎日が充実しています。自然豊かで空気がおいしい匝瑳市。お気に入りの田んぼの風景もあって癒やされています。『地域おこし協力隊』の大事な役目のひとつは、地域の課題や想いを知るためにも、地域の方とのコミュニケーションを積極的にとること。地元の人たちも優しく接してくださるので、これからもっと地域のことを知って、貢献していきたいですね」

安藤さんが移住生活を始め、隊員として活動している「地域おこし協力隊」とは、具体的にどんな制度なのか、次から紹介していきましょう。

  • 安藤さん
    漠然と移住するのではなく、なにか目的をもって動くのがおすすめです

【CHECK】「地域おこし協力隊」はこんな制度

地域おこし協力隊はこんな制度

移住したい、自分が培ってきた経験を活かして、地域のために働きたい。そんな人を後押しする制度が「地域おこし協力隊」です。まずは、制度の枠組みを知り、やりたいことができるか検討しましょう。

都市部から移住して、地域の未来を応援する制度

都市部から移住して、人口減少や高齢化に悩む地域に新しい風を吹かせるのが「地域おこし協力隊」の仕事。受け入れる地域、雇用する地方自治体のニーズを満たして採用となれば、将来的な定住を見据えた上で、協力隊に着任となります。実際の業務は、農林水産業のほか、教育、移住促進、新しい観光ツアー作りなどさまざまで、自分が今まで培ってきた能力を活かすこともできます。住みたい地域が決まっているなら、その周辺の募集情報を調べてもよし、携わりたい業務がある場合は、それに近い条件で募集している自治体から探してもOKです。

都市部から移住して、地域の未来を応援する制度

「地域おこし協力隊」は、隊員、地域、地方自治体の三者が、それぞれにメリットを得る「三方良し」の関係が基盤に。隊員が地域に新たな視点や発想を提供し、地域住民と自治体が協力しながら地域の課題解決や活性化に取り組みます。

Q.年齢制限はあるの?
一律の年齢制限はなく、10代~60代までさまざまな世代が活動しています。実際は、自治体ごとに募集の条件があるので、問い合わせを。

Q.どんなサポートがあるの?
活動に必要な備品や交通費は支給されることが一般的。また、活動期間中は受け入れ自治体から報酬を受けられます。ほかに、住居や家賃の補助がある場合もありますが、自治体によって違うので確認しましょう。

Q.応募から採用までの流れは?
興味のある募集が見つかったら、問い合わせをして実際に地域訪問するのがおすすめ。「おためし地域おこし協力隊」を実施している場合もあります。地域になじめそうか、自分のやりたいことと自治体の求めることがマッチしているかどうか確認しましょう。応募書類を提出、面接を受けてから採用が決まります。応募から採用決定までは約1~3か月かかるのが一般的です。

その他のQ&Aはこちらから!

  • 安藤さん
    募集の内容は自治体によってさまざま。比較検討するのがおすすめです

「地域おこし協力隊」をもっと知ることができる! 講座&イベント開催

【講座】地域おこし協力隊入門講座

「地域おこし協力隊」に関心のある方を対象に、毎月最終火曜日、総務省主催でオンライン講座を開講。制度の解説や、特定のテーマを深掘りし、より具体的な検討が可能になる内容です。

※2025年10月28日(火)開催の講座申し込みページはこちらから

    【イベント】地域おこし縁むすびキャラバン
    「地域おこし協力隊」に興味がある方に向けて、応募前の不安や疑問を解消し、協力隊員を募集している自治体と出会えるマッチングイベント自治体が出展するブース、移住相談や「地域おこし協力隊」制度の解説窓口も設置されています。

    ※詳しくはこちら

     


    【お問い合わせ】総務省地域力創造グループ地域自立応援課
    地域おこし協力隊/ニッポン移住・交流ナビ JOIN

    地域おこし協力隊Facebook
    https://www.facebook.com/chiikiokoshikyouryokutai?mibextid=wwXIfr&rdid=GczzTHyTxILCd8gL&share

    地域おこし協力隊募集情報はこちら
    https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/search.html


    撮影/岩崎美里 取材・文/田中絵真
    取材協力/千葉県匝瑳市、SOSA PROJECT  “My 田んぼ” https://sosaproject.net/

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    • 【50代で移住×生きがい発見】 「地域おこし協力隊」として、今こそ私らしい生き方を【安藤真紀子さんの場合】
    • 収穫した野菜をご近所におすそ分け。 「自分が誰でどんなことをやっているか」の名刺代わりでもあります。
    • 毎日、新しいことをのが新鮮。これからもっと地域を知りたい NPO法人が運営する「My田んぼ」にも参加しています。東京など関東近郊のさまざまな地域の人が集まり、一緒に稲作を体験。
    • 地域おこし協力隊はこんな制度
    • 都市部から移住して、地域の未来を応援する制度

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