【旅レポート】大人の夏旅に『岐阜』をおすすめする理由5選! 鮎、清流、歴史...etc.大人の好奇心に刺さるスポット満載
2.長良川に続く伝統、鵜飼がおもしろい
もうひとつ、夏の風物詩といえば鵜飼。鵜飼が行われている期間は5月11日〜10月15日とのことで、長良川では夏だけではなく約5か月、そしてなんと毎夜(中秋の名月と増水などの悪天候以外)行われているとは知りませんでした。
長良川に1300年以上伝わるという「鵜飼」は、闇夜に船のかがり火に驚いて逃げる鮎を手綱で操られた鵜が捕まえる伝統漁法。聞いたことはあるものの実際どうやって行われているのか理解はあやふや。せっかくなので鵜飼文化に触れるべく「長良川うかいミュージアム」を訪ねました。
訪れた日はあいにく記録的な豪雨に見舞われ鵜飼は中止(滅多にないことだそう)。特別に鵜匠が来館しデモンストレーションを行うとのことで、間近で鵜飼の様子を見学することができました。
鮎漁に活躍するのは、特別な訓練を受けた鵜のみ。一羽一羽に個性があり、その日のコンディションによって漁に出るチームを決めているのだとか。
首に手縄をつけられた鵜が(魚を飲み込めず、かといって苦しくない絶妙な加減で結んでいるそう)水槽に放たれた鮎を元気よく飲み込み、ほどなく鵜匠の華麗な手捌きによって吐き出させられてきょとんとしている姿が印象的でした。
長良川の鵜飼は、古くは織田信長や徳川家康に重宝され、時の権力者の庇護の元に育まれてきた伝統文化。そんな長良川の鵜匠も現在は9家のみ。今でも世襲制で代々男子に受け継がれているそうです。
そして驚いたことに鵜匠の肩書きは宮内庁職員なのだとか。皇族に鮎を献上する「宮内庁式部職鵜匠」という役職が与えられているのは、全国で長良川の鵜匠のみ。それだけ長良川の鮎の質が高く、鵜飼文化が大切に守られているということを知りました。
長良川うかいミュージアム
https://www.ukaimuseum.jp/
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この記事を書いた人
エディター・ライター吾妻枝里子
出版社勤務を経て独立。女性誌やウェブメディアを中心に、ファッション、旅、ライフスタイルなどの記事を手掛ける。ダンス、ボディボード、SUPなどアラフィフから新しい趣味に挑戦中。2匹の保護猫と海辺の街に暮らす。
Instagram:@eriko_azuma