【堤 真一さん&中村倫也さん インタビュー】
「劇場という空間で揺れ動く、俳優同士の人間ドラマ」
“いそうでいない”人を演じる。それが、演劇のおもしろさ(堤さん)
——『ライフ・イン・ザ・シアター』では久しぶりの共演となりますが、印象が変わったところは?
堤 まったくないですね。あんなに可愛かったのに……とは思うけど(笑)。年を取ったのはお互いさまだから。
中村 堤さんと共演したのは『バンデラスと憂鬱な珈琲』と『スーパーサラリーマン左江内氏』だけなんですよね。どちらも福田雄一さんの「できるだけふざけてほしい」という世界でしか共演していない(笑)。そういう意味では、今回のような真面目な翻訳もので、しかも初めてのふたり芝居というのは新鮮ですね。
——『ライフ・イン・ザ・シアター』は、楽屋や本番直前の舞台裏、舞台上など、「劇場」を舞台に、世代の異なるふたりの俳優の心情や関係性の変化を描いた作品です。今は稽古が始まったばかりとのことですが、どんなところにおもしろさを感じていらっしゃいますか?
堤 俳優同士が、リアルにああいう会話をするわけではないと思うのだけれど、この“いそうでいない”感じが、演劇のおもしろさだと思う。
中村 僕が感じているおもしろさは、染み入るものとハッとさせられるもの、そして少し滑稽に映るところと……。そういう人間の奥深さ。それこそ「大人のおしゃれ手帖」の読者の方には楽しんでもらえると思います。難しいのは、どこまでわかりやすくするか、というところ。丁寧に梱包して手渡すほど押し付けがましくなるので、どのくらいの“あっさりさ”にするのか。カンパニーとしてのさじ加減を問われる作品でもあるのかなと思います。場面転換も多いので、そこでいかに飽きさせないかの工夫も必要ですね。
——堤さんは1997年の本作の初演で、若手俳優のジョンを演じています。今回は演じる役もジョンからベテラン俳優のロバートになりますが、作品の捉え方は変わりましたか?
堤 初演のときは、ロバートを演じた石橋蓮司さんの印象が強くて、自分がどうやったのか覚えていないんですよ。蓮司さんの立ち方や振る舞いはすごく頭に浮かんでくるんですけど。当時はやっぱり若かったし、作品の全体像を見るところまではできていなかったと思う。蓮司さんとはその後も映像で共演したけど、僕は蓮司さんのことがすごく好きなんですよね。だから初演のときも本当におもしろかった。
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