【黄金世界を旅する】心震える没入型体験展示「クリムト・アライブ」で麗しい官能美の世界へ
「接吻」をはじめとした絢爛な作品で知られる、19世紀末のウィーンを代表する画家グスタフ・クリムト。当時のヨーロッパは印象派やポスト印象派などの新たな潮流が生まれ、画家たちは伝統を離れ、独自の道を模索していた時代。しかし、保守的な団体が支配していたウィーン美術界では長く続く伝統が重んじられ、若きクリムトも当初はこの風潮に従う一人でした。一方で、オーソドックスな技法に飽き足らず、自分らしい新たな表現を求めるようにもなっていた彼は、舞い込んできたウィーン大学講堂での仕事を機に「ウィーン分離派」を形成し、新しい芸術表現を確立。そんなクリムトが手がけた作品と時代の変遷を豊かな映像表現で見せる没入型展覧会「クリムト・アライブ」に潜入しました。
入場すると数々の作品パネルが展示され、クリムトが手がけた作品の解説が並びます。当時クリムトが何を感じ、作品を生み出していたのか。一つひとつ読み解き、鑑賞しながら歩みを進めると、いざなわれるのは天井高7メートルの広々とした空間。目前には複数の巨大なスクリーンが設置されています。荘厳なクラシック音楽が流れるなか、スクリーンに、床に、次々と作品が映し出されていく会場。座ったり、天を仰いだり、動画を撮ったり、来場者もさまざまなスタイルで鑑賞できる没入型展示は、そこにいるだけで、自分自身もクリムト作品の一部になったかのような錯覚に陥ります。
美を追求し、新しい芸術表現を模索し続けたクリムト作品の数々に、華麗なクラシック音楽と最新のイマーシブ技術を組み合わせた「クリムト・アライブ」ですが、映像、音楽、光だけではなく、鑑賞しているとどこからともなく漂う甘美な香りに気づくはず。ここで味わえるのは、まさに五感の力をフルに活用して全身で芸術を楽しむ体験! アート性もさることながら、高いエンターテインメント性を兼ね備えた没入体験に、きっと誰もが心躍るはずです。
没入体験を堪能した後は、撮影スポットへ。「接吻」の世界そのままに、クリムトの黄金世界を体感できるフォトロケーションは、親子連れにも人気の様子。一人でも、グループで訪れても、アトラクション感覚で楽しめる「クリムト・アライブ」は、会場がCOREDO室町ということから、館内各店で利用できるサービスやプレゼントなどお得な特典も魅力的です。映像と音楽、香りに包まれて作品との一体感を楽しめる世界初の没入型映像展示「クリムト・アライブ」は一見の価値ありです。
五感で楽しむ没入体験!「クリムト・アライブ」展はCOREDO室町1・4F日本橋三井ホールにて10月5日まで開催
「クリムト・アライブ」 東京展
会期:~10月5日(日)
開館時間:10:00~18:00 ※最終入場は閉館の60分前まで
会場:日本橋三井ホール(東京都中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町1・4F)
主催:クリムト・アライブ東京展実行委員会
特別協力:三井不動産株式会社・COREDO室町
問い合わせ:キョードー東京 TEL:0570-550-799(平日 11:00〜18:00/ ⼟⽇祝 10:00〜 18:00)
※12月には大阪展も開催予定
この記事を書いた人
エディター/ライター久武ミキ
出版社、広告会社勤務を経て独立。女性誌、専門誌などでビューティー&ウェルネス、アートを中心に、ライフスタイルにまつわる記事を多数執筆。東京と鎌倉で2拠点生活をおくる猫好き編集者。
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