花總まりさんが語る、50代の歩き方
「40代までの『やり切った』を胸に、新しい自分らしさを見つけたい」
新鮮な作品や役との出会いが、モチベーションを与えてくれる
いつ、何があっても大丈夫な自分であるように――歌だけでなく、実は日頃から体のトレーニングも欠かさない花總さん。代表作のひとつである『エリザベート』のエリザベート役をはじめ、数々の大役を演じ、磨かれた品格は、水面下のたゆまぬ努力に支えられたものでした。それを続けながら迎えた50代。さらにたおやかに、自由に、羽ばたこうとしています。
「ありがたいことに、こうして新しい作品と役をいただけるたびに、『こんなことをやってみよう』『次のために、あれをやっておこう』というモチベーションが自然に湧いてきます。50代になった時はとくに、ああ、これから新しい10年が始まるんだと……。40代までずっと走り続けてきて、あまり周囲を見る余裕がなかったのですが、今は『やり切った』という思い。自分の中でひと区切りをつけて、これからはもう少し歩みを自分らしくしたいと思っています。きっと今までと違う役柄に挑戦していくことになるでしょうし、この年代にふさわしい役に巡り会えたらいいですよね」
やりたいことに挑戦し、違うと思ったら、また別の目標を探せばいい――まるで、砂漠で歩み出すジャスミンのように、花總さんの表情は力みなく、穏やかです。
「今回は、舞台の上でマジックにも挑戦します。お稽古も、とっても楽しいんですよ。50代、幸先いいかな?って思っています」
PROFILE
花總まり(はなふさ・まり)
東京生まれ。1991年に宝塚歌劇団入団、『ベルサイユのばら』で初舞台。雪組、宙組のトップ娘役として数々の作品に出演し、2006年に退団。その後『エリザベート』『レディ・ベス』『マリー・アントワネット』などのグランドミュージカルで主演を務める。最近の出演作に舞台『応天の門』、映像では大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』TBS日曜劇場『キャスター』など。読売演劇優秀女優賞、菊田一夫演劇大賞など受賞歴多数。20226年3月に開幕するミュージカル『破果(パグァ)』では、暗殺者役に挑む。
[舞台]
ミュージカル『バグダッド・カフェ』
夫婦でアメリカ西部を旅していたジャスミンは、夫とケンカし、ひとり車を降りて「バグダッド・カフェ」にやってくる。子育てや日々の仕事に疲れたカフェの女主人・ブレンダは、当初は不審がるが、やがてジャスミンは彼女と子どもたち、そしてカフェに集う人々の心を癒やしていく……。シスターフッドという言葉がまだ世に広まる前から、女性同士の共感と絆を描いていたハートフルな物語。ブレンダ役の森公美子さんとの初共演を「まるで本当にそこに生きている人のようにパワーやエネルギーを表現する方。心から楽しみです」と花總さん。
脚本:パーシー・アドロン エレオノーレ・アドロン
音楽:ボブ・テルソン
歌詞:リー・ブルーワー ボブ・テルソン パーシー・アドロン
演出:小山ゆうな
翻訳・訳詞:高橋知伽江
音楽監督:荻野清子
出演:
花總まり 森公美子 小西遼生 清水美依紗 松田 凌 芋洗坂係長 岸 祐二 坂元健児 太田緑ロランス 越永健太郎 ほか
日程:2025年11月2日(日)〜23日(日)東京 シアタークリエ
2025年11月28日(金)〜30日(日) 愛知 Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2025年12月4日(木)〜7日(日) 大阪 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2025年12月13日(土)〜14日(日)富山 富山県民会館
トップス¥126,500、スカート¥184,800 /ともにマーロ(ウルーン商会03-5771-3513)
撮影/天日恵美子 スタイリング/地曳いく子 ヘアメイク/松田美穂(アルール) 取材・文/大谷道子
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