旅がもたらす心の変化。大人の女性におすすめのロードムービー3選
綾瀬はるかがコミュ障を演じる不思議なロードムービー
『ルート29』
『ルート29』©2024「ルート29」製作委員会
鳥取で清掃員をしているのり子(綾瀬はるか)は、仕事で訪れた病院の入院患者から「姫路にいる私の娘を連れてきてほしい」と頼まれ、渡された写真を頼りに単身で姫路へ。見つけたのは、林の中で秘密基地を作って遊ぶ女の子、ハル(大沢一菜)。「トンボ」とあだ名をつけられたのり子はハルを連れて、姫路から鳥取までの国道29号線を進みますが、途中で車を盗まれ、歩くはめに……。
『ルート29』©2024「ルート29」製作委員会
寡黙で他人にまるで関心がないトンボと、風変わりなハル。二人は旅のなかで、生きているのか死んでいるのかさえよくわからないような変な人々と次々に出会います。
セリフも少なく、音楽もなく、川のせせらぎや虫の声がしっかりと聴こえるほどの静けさで、正直なところ最初は眠くなったものの、二人の旅が終わりを迎える後半になると、終わってほしくないような、不思議な気持ちが湧き上がってきました。
『ルート29』©2024「ルート29」製作委員会
のり子を含めて覇気のない大人たちのなか、ハルだけが生き生きとしていて、新緑のような瑞々しさとたのもしさを感じさせます。
海が見える砂丘に並んで座る二人は。親子ほど年が離れているのに、そんな差は存在しないかのような対等な雰囲気。のり子はトンボとして過ごした旅路で何を感じたのか、彼女の変化をぜひ見届けてください。

『ルート29』
2024年製作
U-NEXTにて独占配信中
©2024「ルート29」製作委員会
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。




