財前直見さんが紡ぐ豊かな里暮らし～18年目を迎えた大分での生活～

俳優の財前直見さんが故郷の大分に移り住んで18年。
その間、新しい家づくりをしたり、子どもが巣立ったり。
新たなライフステージを迎えながらも暮らしの豊かさはさらに輝きを増していました。
ひと足早く訪れる里山の秋の味覚とともにたくましく、しなやかに住まう様子をお届けします。

俳優
財前直見さん
1966年、大分県生まれ。1985年に俳優デビュー。
おもな出演作品は、ドラマ『お水の花道』（フジテレビ）、連続テレビ小説『ごちそうさん』、同『スカーレット』、大河ドラマ『おんな城主直虎』、同『光る君へ』（ともにNHK）など多数。現在、『なおみ農園』（BS日テレ）がレギュラー放送中。

米作りにもチャレンジ。
作物のように豊かに広がる大分の暮らし

俳優の財前直見さんが、故郷の大分に移り住んで18年が経ちました。
大分での暮らしを綴った著書『直見工房』の刊行から早4年、変わらず自然に囲まれた暮らしを営む財前さんの毎日にも、新たな変化が生まれています。

その様子をまとめた『直見工房2それからのこと』（小社刊）の発売を記念して、その様子を一部ご紹介します。

米作りを始めたり、子どもが巣立だったり、そして新たな居場所も。
財前さんの暮らしには、大切なものを改めて考え、毎日を豊かにするヒントが詰まっています。

「前作から今日までの間に、築１３３年の財前家の歴史が詰まった古い家を取り壊し、家族
全員で新しい家の建て直しに参加しました。大分で育った息子も大学生になり、親元を離れて新しい生活を始めたり。
私とじいじ（父）とばあば（母）は、地元の人たちとの新たなご縁もあり、3年前からみんなで協力して、お米作りにも挑戦しています」

ほかにも味噌を手作りしたり、塩作りを体験するなど、いろいろなことに挑戦する刺激的な日々を送っているそう。

「おかげさまで、２０２４年に芸能生活も40周年を迎えました。都会のアスファルトの上を高いヒールで闊歩した時代もありましたが、いまの私には土の上のほうがしっくりきています。畑の土は柔らかく、微生物をたくさん含んでいます。
その微生物が作物の根に酸素と水を届け、栄養分や生物の死骸を酵素の力で分解し、また土へと養分を返していく。土の上にいると、この偉大な自然界の循環を感じて、元気をもらえるような気がしてくるんです」

現在の財前さんは、畑や野山に自生している食材を含めると、年間に40～50種類もの野菜を育てているのだそう。

「俳優の仕事をしているときは常にスタッフさんがいてくれて、いただいた役に集中できるように環境を整えてくれます。でも畑では作物が最優先。季節に合わせて種や苗を植え、日照りが続けば土壌の水の量を調整し、台風が近づけば支柱を立てて補強して……。
作物に私たちがペースを合わせて過ごす生活は、都会にいるときよりも体も心もずっとクリアでいられると感じています。じいじは畑で『おいしく育ってくれてありがとう』などと作物に声を掛け、ばあばは収穫した作物をほんの少しの調味料でシンプルに調理し、作物の持つ旨味を最大限に引き出す。そんな暮らしのなかで、田畑とじいじとばあばから、自然の恵みに感
謝することを学んでいます」

たくさんの自然の恵みと仲間、家族に囲まれて暮らす財前さんの日々を、本書で存分に紹介しています。

自宅に新設したかまど、石窯、バーベキュー台で、親戚やご近所さんと外ごはんを楽しむことも。
田植え後のランチバーベキューは格別！