清水ミチコさん エッセイ「不安にタブラかせる前に」
「モノ」に囲まれて暮らす私たち。だからこそ、そばに置くモノのことはとっても気になります。清水ミチコさんの「モノ語り」。
清水さんが今気になっているモノ、お気に入りのモノについて綴ります。
不安にタブラかされる前に
先日、ラジオの聴取率を誉められました。ラジオ大好物なんで喜び100倍。もともとラジ
オが大好き。「そういえば、局内で一番人気の番組って何だろ?」と、スタッフに聞いたら「それはずっと昔から『テレフォン人生相談』です」とのことでした。
なるほど考えてみれば人生相談ほどラジオ向きな番組はないかもですね。
本音で向かい合っている正直な会話な上、顔はさらさず、匿名のままだから言いにくいことも口にできます。見栄を張れません。
「自分がもし同じことで悩んだら?」などと想像もできます。
ところで、悩み以前の問題。
言葉にできない不安や、なんとなく漠然とした憂鬱が入り込むのが現代人だと聞きます。とくに若い人は、得体のしれない謎の圧迫感を感じることもあるとか。
そのせいか先日は、「ぼーっとする大会」が行われたことがニュースになっていました。
笑っちゃうようなタイトルです。つい悩みが湧いてきたり、無駄な心配がよぎるのを回避するため、「ただぼーっとしているだけ」の大会なんだそう。
おしゃべりもスマートホンも、いっさい禁止された会場で90分間、どれだけ安定した心拍数を保てたかが勝負どころなんだとか。
この取り組みは、自殺率が高いと言われる韓国で行われたそうですが、素晴らしいアイデアですよね。
これからはそっちで競い合いたいです。
脳は興奮を好むせいか、瞑想は本当に難しいものですが、達観した境地、あるいは韓国まで飛ばなくとも、少しずつでも日々気持ちを静める時間は人生を満喫させます。しかも明日からでもできる。
……と、今回はそんな気持ちに拍車をかけてくれる音楽を紹介。って、通販番組みたいだけど、ほんとにオススメ。
タブラ奏者、U-zhaanのCD『TablaDhi, Tabla Dha』。言葉遊びの歌も入っていて、最初は軽くて明るい気持ちでいると、いつの間にかふらっと心がマッサージされていきます。
家事をしながら流していても、決して邪魔にならず、むしろ落ち着いてくるのは、タブラの音質に瞑想作用があるのでは? と思っています。
私はとくに最後の曲をリピートしてます。
今回の気になる物産
『Tabla Dhi, Tabla Dha』
U-zhaan『Tabla Dhi, Tabla Dha』〈通常盤〉
¥3,300(Golden Harvest)
タブラ奏者、U-zhaan(ユザーン)さんがこの夏発表した新作アルバムが、『Tabla Dhi, Tabla Dha』。
タブラとは、北インドの太鼓の一種。指を駆使して複雑で多彩な音色を表現するので、世界一難しい打楽器だとも言われている。
アルバムは全9曲。小山田圭吾さん、青葉市子さん、ハナレグミさんなど、人気アーティストとのコラボ楽曲を収録。
清水さんがとくに気に入っているという曲は、「Raga Charukeshi」。
インドの超人気シタール奏者Purbayan Chatterjeeさんとのコラボ楽曲。
清水ミチコ
岐阜県出身。1987 年のデビュー以降、テレビ・ラジオのほか、エッセイ執筆、CD制作、ライブと、幅広く活躍。YouTubeでは、「清水ミチコのシミチコチャンネル」を配信中。11月より全国ツアー「清水ミチコのHAPPY PARADISE」開催決定。恒例の日本武道館公演は2026 年1月3日。追加公演も決定。詳細は、公式サイト4325.netをチェック!
イラスト(ロゴ)/とみこはん 文・編集/鈴木香里
大人のおしゃれ手帖2026年1月号より抜粋
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