新作映画『たしかにあった幻』で河瀨直美さんが見つめた愛と未来
「何かを否定する以上に受け止める自分でありたい」
困難なときほど広い世界に耳をそばだて、心を開く

欧米では「Gift of Life(=命の贈りもの)」と呼ばれる臓器移植。しかし、生命に対する倫理観などの違いから遅々として環境整備が進まない日本で、コリーは患者家族に寄り添いながら、困難な仕事に取り組みます。さらに彼女の心を揺らすもうひとつの存在が、旅先の屋久島で出会った恋人・迅。暮らしをともにしながらも、自分の来歴や心情をほとんど語ろうとしない彼への不満がつのり、ある日、言葉を荒らげてしまうコリー。翌日、彼は姿を消し、その足跡を辿るなかで、コリーは迅が家族の元から失踪していた事実を知るのです。
「臓器移植という命の橋渡しや、愛する人を失うという現実に正面から向き合えるコリーは、とても強い女性だと思います。泣くときは泣くけれど、それでもいつかは立って、自分の行く先を見つけられる人」
彼女の強さは「聞く耳を持っていること」に根ざしていると、河瀨さん。映画のポスターには彼女が耳に手のひらをかざし、後ろ側の音を聞き取ろうとする様子が写し出されていますが、これはより広い世界に耳をそばだて、ものごとの道理を悟ろうとしていることの象徴。女性が社会で生きていくうえで、困難に対峙する際の姿勢にも通じるといいます。
「結婚し、出産して、家庭を築きながらキャリアも伸ばす。今の世の中、やはり女性に強いられていることはまだまだ多く、しかもそれを後押ししてもらえるような空気ではありませんよね。だから、そのハードルを超えていくというよりは、自分を開き、他者を受け入れ、自分とその周りにある世界を慈しむ……葛藤を抱え、愛した存在が幻だったとしても、行動を起こしたことは何かにつながっていくし、その道の終わりには必ず光が差すはず。そんな感覚を、コリーを通して味わっていただけたらと思っています」
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