【人形浄瑠璃文楽、人間国宝・桐竹勘十郎さんインタビュー】
「人形やったらこうするのに、と常に思いながらの映画撮影でした」
人形浄瑠璃は、おもしろい芸能やなぁ

空き家が増え続けて静けさを増す町、そこに暮らす人びと、かつては商人の町として賑わいを見せた町の記憶……。中尾広道監督も大の文楽好き。映画の舞台となった奈良県御所市の、そんな風景を想起させるために、劇中にも「面売り」という演目が登場します。ここで、本業でもある文楽についてもお話を伺ってみました。
「今に至るまで絶えることなく受け継がれていること、先人に感謝ですね。劇場の一歩外は現代ですけども、舞台の幕が開き、三味線が‟てん……”と鳴ったらお客様全員をタイムスリップさせなあかんのです」
文楽の人形は、息遣いを感じさせるような繊細な仕草、心の機微を読み取りたくなる眼差し、手先まで意識が行き届いた滑らかな動き。まず、その‟演技”に驚かされます。「お人形のよう」と言ったら俳優さんを揶揄する言葉になりそうでが、文楽の人形を観ると、それは褒め言葉だとも思えます。
「僕らも『ロボットみたいやで』なんて言いますが、今はロボットもしなやかで。ひっくり返ってバク転したりしますから!」と勘十郎さん。
女方と立役とでは人形の構造から異なります。たとえば、女方には脚がありません。足遣いが着物の裾の裏側を指でつまんで動かすことで脚があるように見せていて、人形を遣うには「構えも、使う筋肉も違います」と言います。
「文楽の魅力はいっぱいあって、とてもひとことでは言えません。三味線の音色、太夫が真っ赤な顔をして渾身の語りを聴かせること。語りと三味線だけで立派な芸能で、それプラス人形です。昔の人はよく考えて作り上げたものだなと。劇場へぜひ、見にきていただいて、客席で何かを感じ取ってほしいです。それと文楽は昔から全員男がやっています。女性がダメということではもちろんありませんが、僕は、ええトシしたおっちゃんたちが子どもや娘などになりきったりするのが大好きで。おもしろい芸能やなぁと思うんです」
【人形浄瑠璃文楽とは】
江戸時代に、大阪で生まれた人形芝居。太夫(語り手)、三味線弾き(音楽)、人形が一体となった日本の重要無形文化財。一体の人形を、首(かしら)と右手を操作する主遣い(おもづかい)のリードのもと、左手を担う左遣い、両脚を担う足遣いの三人で操る。
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