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大人のおしゃれ手帖 4月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2026年4月号

2026年3月6日(金)発売
特別価格:1640円(税込)
表紙の人:麻生久美子さん

2026年4月号

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【若葉竜也さんインタビュー】
「僕はやっぱり、人が好きです。面倒くさいですけど(笑)」

ファイティングポーズをしっかり取れるものに、真剣に向き合っているか?

映画が始まってすぐ、ユーイチがライブハウスで初めてモモのボーカルを目の当たりにするシーンがあります。それはこうしたシーンによくある聴衆を圧倒する声、とは違い、バンドの一部としてサウンドに溶け込み、歌詞に込めたメッセージを内向きに咀嚼しながら観客に切実な思いを伝えようとする、そんな歌声。実は今作では、ライブ・シーンはオリジナルの音源を使っているとか。つまりそれは「TOKAGE」のモデルであるリザードのボーカル、モモヨさんのもの。違和感のなさに驚かされます。

「役者がとても能動的に動く現場で。バンドメンバーとごはんを食べていて、僕が『練習したいんだよなあ』と言うと、メンバーのひとりがその場で電話してスタジオをとって。(出演者のひとりである)吉岡(里穂)さんにも連絡し、『明日どう?』みたいな感じで。また曲も、聴き込んで聴き込んでいきました。どんなことを考えながら歌っていたんだろう? モモヨさんが伝えたいことに触れにいく、無理かもしれないけど、という感じで」

演奏を練習しても、それが劇中で使われることはありません。でも「演奏のクオリティが低いとほかのなにをしても説得力がない」と、たくさん練習したそう。劇中のモモも、やりたい音楽に妥協はしません。一方で、レコード店を営む実家暮らしで、“かーちゃん”の前ではただの甲斐性なしのかわいい息子だったりします。出がけに母親から、「今日は夕飯食べないの? アジフライだよ!」「…じゃあ食べますっ」なんて言う。ごく自然に、役柄の多面性が生まれています。

「確かにこれは映画で、台本はあるのですが、‟こんなシーンになる予定じゃなかった”ということがたくさん起きました。トモロヲ監督がプレイヤーだから役者の気持ちをわかっていただけて、気持ちを保ちやすかったのはもちろんです。そのうえで役者たちの映画にかける思いが化学反応を起こし、奇跡みたいな瞬間がたくさん生まれたのだと思います。走り抜けたというか、全力疾走というか」

映画は田口トモロヲ監督の‟プロフェッショナル”的な声で、その背景が語られるところからスタートします。ユーイチは「東京ロッカーズ」という新しいムーブメントに立ち会い、その熱を浴び、わけのわからない勢いと高揚感に触れます。そして、そこに飲み込まれて落ちていく人、突然現れて駆け上がる人と出会う――。当時の映像を交えながら、青春映画として駆け抜けます。

「こういう音だから、パンクっぽい格好をしているからパンクではなくて、やりたいこと、やりたい表現をやる。そこにふわっとした才能や縁、タイミングという抽象的な言葉はいりません。あなたたちの衝動でやりたいこと、そこで戦う覚悟はあるのか? 自分が作りたいもの、ファイティングポーズをしっかり取れるものに真剣に向き合っているか? です。その精神は、映画をやっている僕にもわかります。だからこれは懐古的なものではなく、2026年のいまをしっかりと描き出した映画です。観れば必ず、なにかが動き出すと思うんですよね」

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