優恵のおしゃれは心意気
Vol.2「そろそろ衣替えをしましょうか」
東京の冬は、年々短くなっているようです。そして、寒いんだか寒くないんだか、ダウンジャケットは出す? 出さない? お気に入りの黒いコートはいつ着よう、なんて考えているうちに、もう3月ではありませんか。そろそろ春物への衣替えのことを考えながら、コーディネートの予定を立てようかなと思います。厚手のものからクリーニングに出す前に、袖口や肘の辺りの擦り切れを確認して、必要であればお直しに出します。直していただいて、戻ってきたコートを次の冬に着ることを楽しみにするのは、お洋服との付き合い方としてなかなか良いものです。
「ダッフルコートに憧れていました」
丸い竹のトグルボタンが付いている茶色のツイードのダッフルコートは、20代の後半に好んで着ていた「rim」というユニセックスのブランドのものです。袖口の擦り切れを直してもらうのに、今までに2度、修理に出して袖丈を詰めてもらいました。少しサイズにゆとりがあって良かったなと思います。
20歳くらいだったでしょうか、ダッフルコートに憧れのあったわたしは初めてのダッフルコートに、ラルフ・ローレンの素朴でざっくりと大きなメンズのものを選びました。粗めのウール生地、木製のトグル、それを留める紐は麻、裏地は無し。柄はブラックウォッチのタータンチェック。ダッフルコートとしてはとても気に入って何年も着ましたが、ある時、裏地が無いことで中に着ているニットやウール素材のものが毛玉になりやすいことに気が付きました。大人になるにつれ、もう少し整ったおしゃれをすべきなのか、そう考えたわたしは次のダッフルコートを探すことにしたのです。きれいに見えて硬過ぎず、わたしが着られてしまわないものはないかしら。そう思っていた時に出会った「rim」のダッフルコートは、25年以上わたしの冬を支えてくれています。
この記事を書いた人(写真・文)
モデル、俳優優恵
今年はモデルデビュー40周年。本誌でもおなじみ、おしゃれと旅とおいしいものをこよなく愛する。『mc Sister』で人気を博し、俳優としても映画、舞台などで活躍。近年の出演作に『秘密のフレグランス』(2021)ほか。
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