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2025年1月号

2024年12月6日(金)発売
特別価格:1420円(税込)
表紙の人:原田知世さん

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【南 果歩さんインタビュー】
「まずは自分を幸せにする。私たちは、それをしていい年代」

大人のおしゃれ手帖編集部

【南 果歩さんインタビュー】 「まずは自分を幸せにする。私たちは、それをしていい年代」

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大切にしたいのは「自分を幸せにすること」

「どこまで行けるかな? どんな面白い60代になれるかな?」。
今年1月に還暦を迎え、そんな思いで新たなステージを楽しんでいる南果歩さん。

「自分がやりたいことをする、という姿勢は昔から変わらないけど、20代や30代の頃と比べて明らかに違うのは、時間には限りがあると知っていること。
今の体力と気力、好奇心を保ち続けることはできないだろうし、自分の器の容量も少しずつ減っていく。時間の配分というものを考えるようになりました」優先順位を決めるにあたって、大切にしたいのは「自分を幸せにすること」。

「きっと読者の皆さんも、これまで家族や身近な人のために生きてきた世代ですよね。でも、自分が元気でハッピーじゃないと、周りにも伝染してしまう。
私の場合はたまたまひとりになりましたけど、家族がいても意識を変えるだけで、自分を人生の中心にできると思うんですよね。50代は、もうそれをしていい年代じゃないでしょうか。
まずは自分を健全に保って、自分を飽きさせない。自分が幸せになれるものを貪欲に探したくて、私もいろんなことにチャレンジしています」

【南 果歩さんインタビュー】 「まずは自分を幸せにする。私たちは、それをしていい年代」

誕生月の1月には「果歩フェス」と題して、自らのプロデュースによるお祝いの会を開催。
ポールダンスにマジック、津軽三味線の演奏……と趣向を凝らしたショーで、100人以上集まった友人たちを楽しませたそう。

「〝大人のお楽しみ会〟にしたかったんです。といっても私ひとりでは何もできないので、演出家の杉原邦生さんをはじめ大勢のプロの力を借りて、贅沢な会になりました。もともと年齢をそこまで気にしていないので、『60歳になったらこうあるべき』とも思わないし、大きな心境の変化もなくて。だからお祝いの会も、『60年生きてきたお祭りにしよう』という感覚で、みんなと一緒に楽しみました」

次は何をしよう……? と考える好奇心やアイデアの源にあるのは、人とのコミュニケーションから得られる刺激。

「人見知りしないね、とよく言われるんですけど、それは私にとっていちばんの興味の対象が人だから。人と親しくなるまでの時間はすごく早いと思います。ただ、相手に対して共感を求めるのではなく、自分にはない発想を持っている人、自分と違う思考回路の人が好きですね」

価値観の異なる相手との対話を楽しみながらも、あくまで自分の軸はぶらさない、というのも果歩さんらしいところ。

「『影響を受けながらも、自分自身でいよう』といつも思うんです。いろんなものを知ったうえで、それでも自分でいられるかどうか。これは自分へのテストですね。年齢を問わず、しっかり自分を持って生きている人を見ると興奮します」

【南 果歩さんインタビュー】 「まずは自分を幸せにする。私たちは、それをしていい年代」

面白い役なら何でもチャレンジしたい

仕事でも、海外のドラマや映画への出演が続くなど、意欲的な挑戦が続いている果歩さん。
在日コリアンの家族を描いたアメリカの配信ドラマ『Pachinko パチンコ』への出演もそのひとつです。

「このときは誰も私のことを知らない完全にアウェイの現場で、すごく新鮮でしたね。1日ごとにスタッフや共演者の信頼を獲得していく……という過程は、新人時代に戻ったようでした。
でも本来は、どの仕事もこういうモチベーションでやらなきゃいけないと実感したのも事実。ただ、私はとくに海外志向というわけではなく、面白い役なら何でもチャレンジしたい。年齢とともにお母さん役、もう少ししたらおばあちゃん役が増えていくと思うけれど、そのカテゴリーに収まらない役はないかな? といつも探しています」

一方プライベートでは、愛犬のトイプードル・ジョーイが産んだばかりの子犬たちが日々の癒やしに。

「自宅で出産して、私も取り上げたんです。いやもう、素晴らしい経験でした。薄い羊膜に包まれて生まれるのですが、それを母犬のジョーイが食いちぎって、1匹ずつ丁寧になめてあげて。誰にも教わっていないのにこんなふうにできるなんて、本能ってすごいんだなと尊敬しますね。動物は様々なことを教えてくれる、生きものとしての先生です」

今月のテーマでもある、部屋づくりについて尋ねてみると、「ものを置かないミニマムなインテリアよりは、好きなものに囲まれているほうが好み」だそう。

「写真や絵はリビングのあちこちに飾っていますし、画集や本も多いですね。ただ、見せてもいい場所と隠す場所ははっきり分けています。
最近、キッチンカウンターの横に置いていたハイチェアを外して、代わりに引き出しをつけました。テーブルの上にちょこちょこ置きがちなものをそこに収納するようにしたら、すごく部屋がすっきり!
クローゼットは定期的に見直して、もう着なくなった服は『こんなワンピースがあるんだけど、お下がりでもよかったらどう?』と写真を送って、欲しい人に譲るようにしています。やっぱり隙間がないと、新しいものが入ってこないと思うので」

心地よい拠点を作りつつも、今年は旅に出て、外の風を感じることも目標。

「行きたいのはピラミッド、マチュピチュ、カッパドキア。大自然もいいけれど、その土地の歴史や文化に触れられる場所が好きです。見たことのない景色や会ったことのない人……。未知のものがまだまだ世界にはたくさんあるんです」

KAHO MINAMI
俳優。兵庫県出身。1984年、映画『伽倻子のために』で主役に抜擢されてデビュー。以降、テレビや映画、舞台で幅広く活躍。『夢見通りの人々』で第32回ブルーリボン賞助演女優賞。舞台『木のこと The TREE』が7/12・13に東京文化会館小ホールにて上演。ボーカルを務めるNicochansデビューシングル「乙女オバさん」がAppleMusicSpotifyで配信中。

ワンピース¥39,600/ベッド&ブレックファスト(グリードインターナショナル トウキョウストア)、イヤーカフ(左耳上)¥60,500、(下)¥97,900、リング(指先から)¥117,700、¥80,300、ネックレス¥105,600、ブレスレット¥104,500/すべてプライマル、シューズ¥59,400/ネブローニ


撮影/枦木功[nomadica] スタイリング/坂本久仁子 ヘアメイク/黒田啓蔵 文/工藤花衣

大人のおしゃれ手帖 2024年5月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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