【6月の注目アート展】
巨匠たちの作品を見比べられる、アートファン垂涎の企画が実現!
パリ、東京、大阪―3都市を代表する美術館の名品コレクションが集結。
34のテーマに沿った一期一会のトリオがアートの新しい扉を開く。
セーヌ川のほとりに建つパリ市立近代美術館、皇居にほど近い東京国立近代美術館、2022年に開館したばかりの大阪中之島美術館は、いずれも20世紀から現代にかけてのモダンアートを中心に所蔵しています。
本展では、3館のコレクションから共通点のある作品を1点(組)ずつ選んでトリオを組むという、これまでにないユニークな展示を試みます。
総勢110名の作家たちの作品150点による、34組のトリオが実現しました。
ここでご紹介するのは「モデルたちのパワー」というトリオ。
いずれも肘をついて、ゆったりとしたポーズでくつろぐ女性が、室内や屋外に横たわっています。
萬鉄五郎《裸体美人》(重要文化財)1912年、東京国立近代美術館
萬鉄五郎の《裸体美人》は、マティスやゴッホの影響を受け、東京美術学校の卒業制作として描かれた画業はじめの力作。縦長の構図も斬新です。
アンリ・マティス《椅子にもたれるオダリスク》1928年、パリ市立近代美術館
photo: Paris Musées/Musée d’Art Moderne de Paris
アメデオ・モディリアーニ《髪をほどいた横たわる裸婦》1917年、大阪中之島美術館
3作品いずれも(トリオ、テーマ〈モデルたちのパワー〉より)
対するマティスのオダリスクは、南フランスのニースを拠点とした頃の円熟期の作品。
そしてモディリアーニの裸婦は、35歳の若さで早世した画家の晩年に描かれました。
彼女たちは、しばしば神話の女神として理想化されてきた19世紀までの裸婦とは異なり、堂々とした体つきと、それを誇示するような大胆なポーズ、そしてこちらを挑発するように見つめる視線が特徴的です。
それぞれの個性を放ち、新たな美の価値観を投げかけるモデルたちの競演を、ぜひ会場でご覧ください。
教えてくれたのは・・・
東京国立近代美術館
研究員
横山 由季子さん
世田谷美術館、国立新美術館、金沢21 世紀美術館を経て現職。専門はフランスと日本を中心とした近現代美術。近年の主な企画に『ピエール・ボナール展』(国立新美術館、2018 年)、『内藤礼 うつしあう創造』(金沢21 世紀美術館、2020 年)など。
『TRIO
パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』
場所:東京国立近代美術館(東京都)
開催:開催中〜8月25日(日)
開館 :10:00 〜17:00(金・土曜は〜20:00まで。入館は閉館の30 分前まで)
閉館 :月曜、7月16日(火)、8月13日(火)
※ただし7月15日(月・祝)、8月12日(月)は開館
050-5541-8600(ハローダイヤル)
こちらの展覧会にも注目!
企画展
『知られざる海生無脊椎動物の世界』
海洋に生息する謎多き“背骨を持たない”無脊椎動物たち。一般的な認知度が低いため、「系統は?」「体の模様は?」「脱皮は?」「口はどこに?」など、さまざまな疑問が浮かび上がる。その興味深い形態や生態、海生無脊椎動物と人の暮らしとの関わりを紹介。
開催中〜6月16日(日) 国立科学博物館(東京都)
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