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2025年1月号

2024年12月6日(金)発売
特別価格:1420円(税込)
表紙の人:原田知世さん

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〈能登半島地震応援企画〉
南果歩さんが行く
能登の手仕事を絶やさぬために、未来へ繋ぐ作家たちの取り組み

大人のおしゃれ手帖編集部

〈能登半島地震応援企画〉 南夏帆さんが行く 能登の手仕事を絶やさぬために、未来へ繋ぐ作家たちの取り組み

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震災前から親交のあった石川県の作家たちのもとへ。
制作活動を絶やさぬために尽力する姿。復興への思いをうかがいます。


割れたガラスを溶かし、再び作品に

能登島にある有永浩太さんのガラス工房は、地震により壁や床に亀裂が入り、ストックしていた作品のほとんども割れてしまいました。この数カ月、片づけや修復に時間を費やして―。

「最近はようやく日常が戻ってきているようで、でもやっぱり気持ちが前のようには戻らなくて。自分でもそれがどうにもできないんです」と、有永さんはつぶやきます。

規則的な生活リズムで身体感覚を伴いながら制作してきた有永さんにとって、まだまだ集中力を削がれる日々が続いています。それでも、ガラスという素材は、溶かせばまた何度でも形になるもの。地震で割れた欠片を溶かしてまた素材に戻し、新たな作品づくりにいかしています。

ガラスが好きという果歩さんは、有永さんのものづくりの姿勢に向き合います。

「震災で失われたものが、もとに戻ることはないと思うんですけれど、つくり手の経験によって作品も変わっていくもの。私はこれからの有永さんの作品を楽しみにしています」

有永さんの作品は、吹きガラスでつくられている。
「学生時代に陶芸をしたり、ガラスも別の工法を試したりしたけれど、つくっているときの感覚と、できあがったときの感覚に、いちばん誤差がなかったのが吹きガラスでした」と有永さん。
透明ガラスを材料として仕入れ、金属を加えて着色。この「ボトル」はスミ色。

もとは小屋だった建物を、2年ほど前に改装して工房にした。

〈能登半島地震応援企画〉 南夏帆さんが行く 能登の手仕事を絶やさぬために、未来へ繋ぐ作家たちの取り組みガラスが好きな果歩さんは、有永さんの工房に初めて訪れた時に「これがいいです!」と売り物でない花器を買わせてもらったとか。
有永さんは「わかってもらえてうれしい」と思ったという。

茶道の道具であるなつめは、最近の新作。
ベネチアングラスのレースガラスを応用した技法で、細かな模様を折り込んでいる。

工房の壁に道具が美しく並べられていた。

「ガラスを形づくるときは直接手で触れられないので、ちょっとずつ違う道具が必要なんです」と有永さん。

お伺いしたのは・・・
ガラス作家
有永浩太さん
1978年、大阪府生まれ。倉敷芸術科学大学卒業後、ガラス工房などの勤務を経て、2009年よりフリーのガラス作家として作品を発表。2017年より能登島に暮らしている。

工房の前で、記念撮影。

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