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大人のおしゃれ手帖 11月号

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大人のおしゃれ手帖
2024年11月号

2024年10月7日(月)発売
特別価格:1480円(税込) 
表紙の人:西田尚美さん

2024年11月号

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「身近な人でも、本心を見抜くのは難しい」
ほろ苦い映画に集ったお三方にインタビュー!
【三谷幸喜さん × 長澤まさみさん × 西島秀俊さん】

大人のおしゃれ手帖編集部

「身近な人でも、本心を見抜くのは難しい」 ほろ苦い映画に集ったお三方にインタビュー! 【三谷幸喜さん × 長澤まさみさん × 西島秀俊さん】

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いつも頼もしく思う人がいれば、新鮮な魅力を放つ初対面の人もいる。触れ合いは、常に私たちにたくさんの発見と感動をもたらします。
ひとりの女性の〝正体〟を巡る愉快でほろ苦い映画に集った大人のお三方。
出会いは、どんな化学変化を生み出したのでしょう?


今回は長澤さんでどんな物語をやりたいか? と想像するところから

三谷幸喜さん(以下、三谷) 僕の作品はいつも俳優さんありきなんですが、今回は長澤さんでどんな物語をやりたいか? と想像するところから始めました。長澤さんには昔からどこか〝寂しさ〟のようなものを感じていて、哀愁漂う役を演じられている時、すごく魅力的に映る。だから、スオミという、5人の夫の誰にも本心を見せなかった女性の話を書かせていただいたんです。

長澤まさみさん(以下、長澤) これまでにもひとつの作品で複数の役を演じたことはありましたが、ひとりの人物の説得力を持たせながらいくつもの貌を見せる、そこが難しかったですね。現場では、三谷さんから「それじゃないんだよね!」と言われてましたし。

三谷 ……そんな言い方、しましたっけ?長澤 しましたね(キッパリ)。

西島秀俊さん(以下、西島) 僕が演じた4番目の夫の草野はかなり神経質な警察官で、空気の読めない言葉や態度を取ってしまう男。しかも草野自身は、それにまったく気づいていないんです。細かいところに気が回るから仕事では優秀なんでしょうけれど、一緒に暮らす人にとっては困った男なんだろうなと感じました。

三谷 料理が苦手だというスオミに「料理だけが苦手みたいな言い方だな」と笑顔で返す場面がありますが、あんなイヤな台詞をあれほど清々しく言えるとは……。

西島 いや、相当イヤな感じでしたよ!(笑)

三谷 僕は西島さんとご一緒するのは初めてで、何となく神経質そうなイメージを勝手に抱いていたんですが、こんなに笑う方だとは思っていなかった。草野に面白さや温かい部分をきちんと肉付けしてくださったので、とても感謝しているんです。

いろんな大人を見て育ったし、女性にはもともと勘のよさがあるのかも

脚本・監督:三谷幸喜 出演:長澤まさみ 西島秀俊 松坂桃李  瀬戸康史 遠藤憲一 小林 隆 坂東彌十郎 ほか 全国公開中 ©2024「スオミの話をしよう」製作委員会

長澤 随所に可愛らしいところがあるから、和むんですよね。草野さんといるスオミが軸になってくれたから、他のスオミも引き出すことができたんだと思います。

西島 そう言っていただけると……。でも、草野がスオミのことをわかっていなかったように、人の正体を見抜く力は僕にはあまりないですね。多分、騙されやすいほうだと思います。

三谷 こういう仕事をしていながらですが、僕も実生活ではまったく人を見る目がないんです。信じやすいのか、それとも、表面的にしか物事を見ていないのか……。あまりに見抜けなくて、長澤さんに相談に乗ってもらったこともありましたよね。

長澤 私は見る目、あると思います。子どもの頃から仕事でいろんな大人を見てきたし、女性にはもともと勘のいいところがあるんじゃないでしょうか。だけど、人の期待を感じてそれに応えることと、自分のしたいこととのバランスを取るのは、あんまり得意じゃなくて。だから毎回、一所懸命やっている感じです。

きっと誰かが喜んでくれる。
そのイメージがつかめた時、進むべき方向が見えてくる

西島 難しいですよね。自分でも、うまくいく時といかない時があって、未だに正解は見つかっていません。それでも「こういう方々がきっと作品を見てくださる」「喜んでもらえるかもしれない」とイメージができると、向かう方向性が見えたりもするんですが。

三谷 僕は、それは得意。仕事なら、僕にその仕事をオファーしてくれた人に応えるのが目標だし、作品のために集まってくれたキャストやスタッフの期待に応えるのが自分のテーマになる。自分のしたいことと、ほぼイコールなんですよ。人に尽くすためだけに生きていると言ってもいいくらい……とにかく、嫌われたくないので!

長澤・西島  アハハハ!

三谷 皆が喜んでいると僕も嬉しいし、「この人、こんな表情をするんだ」「こんなことを言うと面白いんだ」というふうに、プレゼントをいただける俳優の方々と出会えるのが、僕にとっての幸せな現場。今回も、まさにそういう時間を過ごせました。それがいい形で、次につながるといいなと思っています。

〔 映画 〕 『スオミの話をしよう』 脚本・監督:三谷幸喜 出演:長澤まさみ 西島秀俊 松坂桃李  瀬戸康史 遠藤憲一 小林 隆 坂東彌十郎 ほか 全国公開中 ©2024「スオミの話をしよう」製作委員会

〔 映画 〕
『スオミの話をしよう』

いつだって誰かのために生きてきた――行方不明になった詩人の妻は、かつて4人の男の妻でもあった。戸惑う夫たちが辿り着いた彼女の真の姿とは? 「舞台のような映画を」という三谷さんの熱望で、映像では異例の1か月にわたるリハーサルを敢行。出演者一丸となって繰り広げる緊密な台詞劇の結末には、華麗なミュージカルシーンも。

脚本・監督:三谷幸喜
出演:長澤まさみ 西島秀俊 松坂桃李 
瀬戸康史 遠藤憲一 小林 隆 坂東彌十郎 ほか

全国公開中

©2024「スオミの話をしよう」製作委員会


脚本家・映画監督
三谷幸喜
1961年生まれ。’83年に劇団「東京サンシャインボーイズ」を結成以降、数々の作品を手がける。近作は舞台『オデッサ』、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、映画『記憶にございません!』。

俳優・長澤まさみ
1987年生まれ。2000年の映画『クロスファイア』で俳優デビュー。最近の出演作に舞台『正三角関係』、ドラマ『エルピス−希望、あるいは災い−』、映画『シン・ウルトラマン』などがある。

俳優・西島秀俊
1971年生まれ。90年代より映像作品を中心に出演。最近の出演作に映画『首』『グッバイ・クルエル・ワールド』、ドラマ『さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜』、AppleTV+配信『サニー』など。


撮影/久富健太郎 スタイリング/中川原寛(CaNN/三谷さん),山田陵太(長澤さん),カワサキタカフミ(西島さん) ヘアメイク/たつみめぐみ(三谷さん),高村三花子(長澤さん),亀田雅(西島さん)

大人のおしゃれ手帖2024年10月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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  • 脚本・監督:三谷幸喜 出演:長澤まさみ 西島秀俊 松坂桃李  瀬戸康史 遠藤憲一 小林 隆 坂東彌十郎 ほか 全国公開中 ©2024「スオミの話をしよう」製作委員会
  • 〔 映画 〕 『スオミの話をしよう』 脚本・監督:三谷幸喜 出演:長澤まさみ 西島秀俊 松坂桃李  瀬戸康史 遠藤憲一 小林 隆 坂東彌十郎 ほか 全国公開中 ©2024「スオミの話をしよう」製作委員会

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