恋も愛も官能も情熱的に綴る! “作家”が主人公の映画3選 ~芸術の秋に観たい映画①~
作家と人妻の禁断の愛を終わらせた“第三の男”とは?
『ことの終わり』
1930年代頃から活躍したイギリスの作家、グレアム・グリーンが自身の体験をもとに書いた小説『情事の終わり』を映画化。
舞台は1940年代のロンドン。ある雨の日、作家のモーリス・ベンドリックスは2年ぶりに友人のヘンリー・マイルズと再会し、ヘンリーの妻サラとも顔を合わせます。ヘンリーが浮かない顔をしているのは、サラが浮気をしているのではないか、苦悩しているからでした。
実は、モーリスとサラはかつて密かに逢瀬を重ねていましたが、突然に終焉を迎えました。ある日、愛し合っている最中に激しい空襲に見舞われ、混乱の中、サラは謎めいた言葉を残して彼の前から姿を消したのでした。そんな過去を隠しつつ、ヘンリーの悩みを聞いたモーリスは、サラの新たな浮気相手が気になって探偵事務所に調査を依頼しますが……。
モーリス役には青い目が神秘的なレイフ・ファインズ、サラ役には気品あふれるジュリアン・ムーア。裸で絡み合う官能的なシーンも多い作品ですが、ただの不倫ものではないので、やはりこの二人の知的な雰囲気が映画化には欠かせなかったといえるでしょう。
それにしても、モーリスは上品そうな紳士だけれど、探偵まで雇うとはなかなか下衆な男です。でも、その結果、意外なことがわかってきます。何がわかるのか、彼らはどのようにふるまうのか、ぜひ実際に観て確かめてみてください。
『ことの終わり』
1999年製作
デジタル配信中
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。