【50代の大人旅】 “海の京都”と呼ばれる京丹後で新旧のカルチャーを楽しむ! 《後編》 ーエディター・あさこの関西巡りー
織物を“練る”!? 丹後織物工業組合のオープンファクトリー「TANGO OPEN CENTER」
絹織物精練加工場のオープンファクトリー「TANGO OPEN CENTER」では、丹後ちりめんや絹織物を身近に感じられるワークショップも人気。2024年6月にオープンしたばかりですが、海外から訪れるゲストもいて、日本の絹織物の技術力の高さに驚愕しているそう。
ファクトリーショップでは、丹後織物製品を数多くラインナップ。なかでも注目は、地域に根ざして活動する新進気鋭の作家たちのアイテム。お肌や髪にやさしいシルクを使ったウエアやパジャマ、ナイトキャップなどが豊富に取り揃えられています。この品揃えは産地だからこそです。
シルク100%はもちろん、ウールシルクなどのアイテムも。なかにはポリエステルのちりめんもあり、丹後では絹に限らず、さまざまな素材を使い、ストレッチ性などさまざまな特性を持つ生地が開発されたり、“洗濯機で気軽に洗える絹”といった新たな技術の研究も進められています。
需要が低下とともに全国的に生産量が減るばかりとなっている絹織物。古代から現代に至るまで、織物の名産地であり続けてきた京丹後も例外ではありません。織られた生地から余計なものを落とす「精錬」という工程は本来“練る”と呼ばれていたそうですが、今や全国の織物の“練り”は、ほぼ全てをこちらの工場が一手に引き受けている状態。
織物を煮るための動力は、ボイラー。工場の精錬場にはもうもうと湯気が立ち込めていましたが「このメインのボイラーのバルブが閉じられる時が、日本の絹織物の最後かもしれません」と伺い、まずは知ることの大切さをしみじみと感じました。
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