【インタビュー】川口かおるさん
「限界まで頑張らずに心の声、体の声に気づく」
絵本が教えてくれたこと
絵本の役割を伝えること
高校時代に絵本によって文学の扉が開かれて以来、さまざまな場面で絵本に助けられてきた。
かおるさんが助けられてきた絵本は多種多彩だが、それらの物語は勧善懲悪ではなく、喜怒哀楽のある人や動植物などの登場者をそのままに肯定し、「ときには報われない努力もある」という厳しい現実をも描いている。
この6月にかおるさんは一冊の本、『中学生からの絵本のトリセツ』(岩波書店)を上梓した。幼い子どもだけでなく、思春期の人たちに向けた内容だ。
2022年、夏の甲子園で優勝した仙台育英高校の監督が選手たちに読み聞かせをした絵本『あすはきっと』(童話館出版)が話題になったことも、この本を書くきっかけのひとつだった。
しかし、かおるさん自身は、中高生時代に自分の柔らかな感受性を押し殺して、バスケットボール部でしごかれ勝利してきた経験があるので、 「当時は、高校野球と絵本って対極にあるように感じていて。野球はサインや指示などトップダウン要素が大きくて、個人の主体性や感情よりもチームが優先。いっぽう絵本は、個人の感情に働きかけて、読んだ人が自由に想像の翼を広げるものだと。でも監督の須江航さんとお話ししたら、絵本の内容に素直に感動している様子がわかりました。それを生徒たちにも共有したかったんですよね」(著書より一部抜粋)。
振り返れば、自分も図書館で絵本を手にとってその魅力に気づいたのは高校生のときだった。 「中学生や高校生、そして大人だって、絵本は心を豊かにしてくれるんです」
年を重ねるほど自由になっていく
50歳ってすべてを経験済みってイメージでしたけど、まだまだ新しい発見がありますね。老眼になって戸惑ったり、どうなるかわからないことも多くて、これからが楽しみです(笑)」
そしてかおるさんは続けて、「人は変わっていきますから」と、きっぱりと言った。だからこそ、「今後は、大人にも絵本の魅力と効用を伝えていきたい」。
その大人の中に、かおるさん自身も含まれているのだろう。 「だんだんと気持ちが自由になってきて、出会いが増えてきました。仕事は大変なこともあるけど、助けてくれる人もいて、とてもありがたいです」
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