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2025年1月7日(火)発売
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【長塚京三さんインタビュー】「50代で決めたひとつの生き方。行動しないと、運もついてこない」

大人のおしゃれ手帖編集部

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『紙の月』『羊の木』と話題作を発表し続ける吉田大八監督が、筒井康隆の小説の映像化に真っ向から挑んだ映画『敵』。主人公を演じたのは、これが12年ぶりの主演映画となった長塚京三さんです。東京国際映画祭でグランプリほか3冠を達成した映画のこと、軽井沢での暮らしについて、79歳を迎えた長塚さんに聞きました。

目次

【長塚京三さんインタビュー】「50代で決めたひとつの生き方。行動しないと、運もついてこない」

  1. 想像力で、その人物の内側に入り込む
  2. 歩くことと何気なくそこにいること、このふたつが豊かであれば
  3. 50代で、何を思い悩むことがある?

想像力で、その人物の内側に入り込む

妻に先立たれ、山の手の一軒家でひとり暮らしをする77歳の元大学教授、渡辺儀助。料理をし、時に晩酌を楽しみ、後輩や元教え子と行き来する。プライドを失うことなく暮らす一方で、預貯金があと何年で底をつくか? その“Ⅹデー”を計算しながら生きています。捨てきれない欲望、なかったことにできない後悔を抱えながら……。ある日パソコンに「敵がやってくる……」というメッセージが――。吉田大八監督からオファーを受けた長塚京三さんは、監督が脚色したシナリオを読み、原作を読み、監督と直接話をして出演を決めました。

「筒井先生が原作となった小説を書かれたのが、儀助の年齢より十年以上も若い頃だったことに驚嘆しました。儀助と同世代の自分が同じような状況に立ち至ったら、恐らく同じように反応するでしょう。大変な想像力だなと。自分は、役を演じるときに思い悩んだり苦しんだりはしません。スッと入ります。俳優としての対応力の訓練とかそういう問題ではないんです。筒井先生同様に、想像力でその人物の内側に入り込む。パッと包み込んじゃう。いわゆる役作りはできないし、だいたいしないです。‟僕が儀助です”と言った瞬間にもう儀助で。言ったもん勝ち、儀助ですが何か? って、それが僕のやり方で(笑)」

そうとぼけて見せますが、映画のなかの長塚さんはまさに儀助そのもの。フランス近代演劇史を専門とする紛れもなきインテリで、プライドを持って自分を律し、丁寧に生活をする。モノクロで映し出される儀助の日常、まずはその美しさに見入ります。撮影前には、監督とふたりで丹念に本読みをしたそう。

「僕の声を聞いたことがあっても、この役のあのセリフを僕の声で言ったときにどう感じるか? 本読みはやっておくに越したことはありません。とっても真面目にやりましたよ、ふたりで密やかに、しめやかにね。僕以外の役は監督が、女性の分も全部やりました。そっちのほうが面白いかもしれないね(笑)。…冗談めかして言ってますけど、監督と主演者がさしで本読みをやるなんて空前絶後で。それで精神的なバックボーンというのはできていますから、撮影現場では監督とで作ったそうした‟骨組み”を崩さず、その範囲内でなんでも対応しますという感じで」

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