【長塚京三さんインタビュー】「50代で決めたひとつの生き方。行動しないと、運もついてこない」
歩くことと何気なくそこにいること、このふたつが豊かであれば
食材の買い出し、使う食器、毎日の料理、儀助の淡々とした日常は見飽きることがありません。元教え子や交流のある後輩たちとの交流のなか、次第に過去を振り返る時間が増えていきます。現実か、夢か? その境界線はどんどん曖昧に。儀助の心地いい生活に浸るうち、観ているこちらまでがその危うさを共有することに。老いを体感したような感覚に、恐ろしくなるほどです。「僕がいちばん怖かったです、どうなっちゃうんだろうな~って」と長塚さんも笑っています。複雑でリアリティのある役柄を、まるでその人そのもののような顔でするっと自分のものにする長塚さんの凄みについて、考えないわけにはいきません。
「演じるということについて、言葉で言うのは難しいんですよ。俳優として映像で語ろうと決めた人間は、そういう言葉を持たずじまいで。だから‟儀助ですが何か?”みたいなことになると(笑)。しかも映画やドラマは監督や演出家あってのもので、俳優ひとりじゃできません。すると俳優として、映像で人前に出てどうアピールするか? またはしないのか……結局、ただ黙ってそこにいるとか、歩くしかないなと」
歩くことと何気なくそこにいること、このふたつが豊かであれば他はどうでもいいくらい――。かつて、60代の長塚さんはエッセイにそう記しました。得るものを得てそぎ落とすものをそぎ落とし、いい落ち着きどころになってきた、と語ります。
「何割できていたかはわかりませんが、60代は確かにそういうところがあったかもしれません。ところが70を過ぎ、僕くらいの年齢になるとできないことだらけでね。もう僕なりのやり方でなんとかクリアするしかない。少し軸を変えるか、新機軸を作ることになるのですが、それはそれでいいのかも。行き当たりばったりな僕の本領が発揮されるのかな(笑)」
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