【50代のリノベーション】マンション住み替え体験記
~いざ内覧! 中古マンション探し始まる~ Vol.2
新耐震であることを重視するか、否かの問題
そして、もうひとつ、中古マンションを選ぶうえで気になるのが、耐震基準。建築基準法の耐震基準は、1981年6月に切り替わっていて、それ以前に建築確認されたものを旧耐震、以降のものを新耐震と区別しています(建築確認された時期なので82~83年築にも旧耐震物件が含まれています)。新耐震のほうが、安全性が高いと考えられるため、旧耐震よりも物件価格は高くなります。住宅ローン控除など、税制面でも新耐震と旧耐震では扱いが異なります。
旧耐震は耐震面でリスクがある一方、価格は安く、好立地でゆとりのある敷地に立っている場合がある、というメリットがあります。あくまで新耐震にこだわるのか、気に入った物件ならば旧耐震でもよしとするのかは、価値観次第です。ちなみに、この日、私たちが内覧した3軒はいずれも旧耐震でした。旧耐震を選んで見に行ったのではなく、価格や立地で探したら、旧耐震だったのです。
この日見た3軒のなかでは、マンションAがいちばんよかったのですが、想定していた予算よりも500万以上オーバー。同じマンションで、リノベーション前の部屋が出たら、チェックしよう!と思うのにとどまりました。
忘れちゃいけない、管理と修繕積立金の状況
最初に行った内覧で、リノベーション済み物件は見てもあまり意味がないとわかったので、次からはリノベーションされていない物件(特に新耐震基準のもの)を選びました。
室内の印象(梁が低すぎたりしないかなど)、窓からの景色(古い民家がぎゅうぎゅうに立っていたり、ガソリンスタンドの隣の物件は避けました)なども大切なのですが、それ以上に重視していたのが、やはり修繕積立金です。マンション全体で修繕積立金がいくらたまっているのか、過去の大規模修繕ではどんな工事をしたのかも、必ず不動産業者に確認しました。
築40年以上のマンションでも、適切に修理されていれば、そこまで外観からボロボロという風にはなりません。入ってみると敷地や共有スペースがゆったりしていて、建築当初にお金をかけたんだろうなとわかるマンションもあります。適切にメンテナンスされているかどうかは、マンションの寿命に直結するので、中古マンションを購入するときに、最重要チェックポイントかもしれません。
そんなわけで、2023年の春~夏にかけて、トータル10軒程のマンションの内覧に行きました。内装がくたびれているのはいいとして、60㎡台だととても狭く感じたり、いいなと思う物件は高かったりで、これだ!と思う物件には巡り合わず。2023年夏ごろから、さらに相場価格が上がってしまい、自分たちの予算で検索すると、出てくるのは心惹かれない物件ばかり……という状況になって、いったん物件探しは休止に。
前から気になっていたマンションの情報を発見
年が変わって2024年。息子が大学受験生となった冬。登録していたアプリから、おすすめ物件の情報が届きました。
それは、我が家のすぐ近く、私がいつも散歩している川沿いに面した物件。建物は古いのですが、遊歩道から見ると堂々として見えます。ここが売りに出ないかなとひそかに思って眺めていたのです。
見れば、リノベーションしてない物件で、最上階角部屋。手が届きそうな価格(これまで内覧した物件の中でも安かった)。これはすぐにでも見に行くしかない!と、夫婦で乗り気になったのです。
次回は、ついにマンション購入、契約までについてお話しします。
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田中絵真
フリーライター田中絵真
暮らしまわり、ヘルスケアの記事を多く執筆。