【50代のこよみ養生 Vol.9】お正月のセルフケアは、おせちと冷え対策のツボで万全!
新年おめでとうございます。本年も「50代のこよみ養生」をどうぞよろしくお願いします。
お正月ぐらいは養生やセルフケアのことは忘れたい……なんて思うかもしれませんが、お正月の伝統的な慣習そのものが家内安全や無病息災を願ったもので、いわばセルフケアの超豪華版。お正月を楽しむことが養生にもなるなんて、日本の伝統は素晴らしいですね。
おせち料理が五色に彩られている理由とは
1年のうちにお祝いする行事はたくさんあれど、いちばんおめでたい日といえばなんといっても元日。
その事自体にはまったく異論はないものの、そもそもなぜ元日はそんなにおめでたい日なのでしょうか。
その理由は大きくふたつあるそうで、まず、昔は数え年で元日になるとみんなが一斉にひとつ歳をとっていたため、誕生祝いの意味があったといいます。だから元日には家族全員が集まって、おめでとうと祝い合うようになったわけですね。
また、元日は年神様をお迎えするときでもあります。年神様とは初日の出とともに山から降りてきて各家を訪れ、その年の豊作と子孫繁栄をもたらす神様。門松やしめ縄、鏡もちなどの正月飾りやおせち料理は、年神様をお迎えするためのものであり、1年の家内安全と無病息災などの願いが込められているのです。
こうしてその意味を知ると、あらためてお正月という伝統行事のありがたさが身にしみますね。
ところでおせち料理といえば、彩り豊かなイメージがありますよね。実はこのおせちの彩りは、東洋医学の基本理論である「五行(ごぎょう)」にもとづいているのをご存知でしょうか。
五行とは、自然界のあらゆる物質や現象を木(もく)・火(か)・土(ど)・金(きん)・水(すい)の5つにひもづけて分類する考え方のこと。色を木・火・土・金・水にひもづけたものを五色、人体の臓をひもづけたものを五臓といい、その関係性は以下のようになっています。
五行 五色 五臓
木⋯⋯青⋯⋯肝(かん)
火⋯⋯赤⋯⋯心(しん)
土⋯⋯黄⋯⋯脾(ひ)
金⋯⋯白⋯⋯肺(はい)
水⋯⋯黒⋯⋯腎(じん)
おせちには青・赤・黄・白・黒の五色が用いられていて、葉もののあしらいや若桃の甘露煮などの青は「肝」、えびやにんじんなどの赤は「心」、栗きんとんや伊達巻きなどの黄は「脾」、里芋やれんこんなどの白は「肺」、黒豆や昆布などの黒は「腎」の健康を願ったものとされています。おせちを食べるときは、この五色の彩りを楽しみながら五臓の健康を願うといいかもしれません。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
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