【朝ドラ出演で話題! 富田望生さんインタビュー】 「ひとりじゃできないことの素晴らしさ」を感じた瞬間
鳥肌が立つことばかりの撮影現場
父親は家族と衝突を繰り返し、姉と弟を含む家庭には冷たい空気が流れます。そんななか結婚を控えた姉・美悠が日本への帰化の話を持ち出し、家庭にはさらに不穏な空気が流れ……。自分の居場所を見つけようともがく灯を、富田さんは全身を投じるように演じました。「役を引きずるタイプ」という彼女を、監督やスタッフが全力でサポートしてくれたそう。
「撮影が始まって1週間ほど経った頃、監督、助監督が‟とにかく望生の体が心配。本当に辛いときはいつだって言いや”と言ってくださって。撮影中は実際に‟よし1時間休憩しよう”ということがよくありました。スタッフと神戸の街をお散歩したり、クレープ屋さんで甘いものを食べて息抜きをして、よし、また頑張ろう!と。撮影後も‟富田望生に戻してから家に帰そう”と思ってくださっていて。スタッフとごはんを食べながら、その日にあったことを私がぶわ~っと4~5時間、話すんです。すると、灯から富田望生の言葉に変わる瞬間があるらしくて。監督はよく‟目の奥が変わった”とおっしゃっていました。そしたら‟よし帰ろう、また明日ね”、と。その繰り返しの日々でした」
こんなシーンがあります。父親に直接感情をぶつけた灯は、高ぶったままトイレへ逃げ込みます。カメラは、バタンと閉ざされたドアの外。画面は延々、閉じたドアを映し出し、その奥で自分の感情と必死に向き合う灯の息遣いだけが音声として流れる……。ありふれたドアを映し続ける映像が、異様な緊張感をもたらす衝撃的なシーンです。
「あれはちょっと賭けのようなところがあって。カメラを止めなきゃいけなくなることが起きるかもしれないと。いつも以上に“起こったことを受け止めなければ”というスタッフの皆さんの気持ちもあったように思います。‟灯を待っているから”と言ってくれていたので、出たくなるまでトイレの中にいようと決めて本番を迎えました。乱れた呼吸を整えるのは体力のいることで、体感としては20分くらいかなと思ったのですが、実際に外に出たのは3~4分後でした。その間、録音部の技師さんが涙を流しながら灯の心臓の音、呼吸の音を見つめてくれていた。本編ではほぼカットせず、音もそのまま使ってくださって」
「鳥肌が立つことばかりだった」という撮影を駆け抜けた富田さん。完成した映画には、格別な思い入れがあるそう。
「これまででもっとも自分ではなく、役の灯を見ていました。だから今は灯のいちばんの味方として、この作品を届ける使命を受け持ったという感覚があるんですよね」
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