桜の季節に観たい“泣ける”映画・ドラマ3選
視力も聴力も失った息子とその母の実話を小雪主演で映画化
『桜色の風が咲く』
『桜色の風が咲く』©THRONE / KARAVAN Pictures
盲ろう者として世界で初めて大学教授となった東京大学先端科学技術研究センター教授・福島智さんと母・令子さんの実話をもとに描いたヒューマンドラマ。
教師の夫、3人の息子とともに関西の町で暮らす令子。末っ子の智は、幼少期に視力を失いながらも、家族の愛情を受けて天真爛漫に育ちます。やがて東京の盲学校に入学し、親元を離れて高校生活を謳歌しますが、徐々に耳も聴こえなくなってしまいます。
『桜色の風が咲く』©THRONE / KARAVAN Pictures
令子役は小雪で、息子の病気に驚き打ちひしがれながらも、できることはすべてやろうという愛情深い母親を熱演。青年期の智役は田中偉登で、聴力まで失いつつある絶望と苦難を乗り越えようとする持ち前の明るさを巧みに演じています。
『桜色の風が咲く』©THRONE / KARAVAN Pictures
美談に終始せず、大病院の医師が横柄な態度であったり、令子が藁にもすがる思いで民間療法を試したりと、リアルに描かれているのも実話ベースだからこそ。盲ろうだからといって大学進学や人生をあきらめたくないという智の前途を祝うかのような桜のシーンに、きっと涙があふれることでしょう。
『桜色の風が咲く』
2022年製作
DVD ¥4,290
発売元・販売元:ギャガ
©THRONE / KARAVAN Pictures
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。