【草笛光子さんインタビュー 】50代、新しいことに挑戦してもいいんじゃないかしら
アンジーのように自由に、力強くありたい、そう思ってくれたら
アンジーを取り巻くのは、個性豊かなキャラクターの人々。謎めいたアンジーに迷うことなく物件を貸す大家・熊坂を演じるのは、ベテラン俳優の寺尾聰さん。草笛さんとは長い間、プライベートでも交流があるそう。
「昭和49年放送のドラマ『天下のおやじ』で、寺尾聰さんと水谷豊さんが私の息子役だったんです。それからふたりは何かあると駆けつけてくれる、芸能界の親戚のような存在。寺尾さんはまだあの大ヒット曲(ルビーの指輪)が生まれる前でしたが、毎日ギターを抱えて私の家に来てはひと晩中弾いていましたね。私が仕事に行くときには『いってらっしゃい!』と見送ってくれて、帰ってきたら『おかえりなさい!』と言うの。我が家の家政婦さんがごはんも出してくれていたし、居心地がよかったのかしら? あるとき、お父様の宇野重吉さんが電話をくださって。『草笛さん、ウチの息子が毎日、朝昼晩とごちそうになってすみません』って(笑)。そのうちに『これ聴いてください』と、できあがった何曲かをカセットテープに録音して聴かせてくれました。共演はいつ以来かわかりませんが、知っている顔がいてくれるだけで嬉しかったですね」
もうひとり、アンジーとの出会いを果たす高校生の麟太郎。若き演技派・青木柚さん演じる彼は、生き方に迷っている青年。そんな麟太郎にアンジーは、「好きなようにしなさい、生きていたらそれで十分」と背中を押します。
「私自身は、悩んでいる方にアドバイスなんてできません。私も明日を迎えたくないと思うくらいに苦しいことがありました。そんなときでもちゃんと、おなかはすくのよね。それでおなかいっぱいになるまで食べると眠くなるでしょ? そうしたら、つらい気持ちもなんとなく薄らいで。それで『あ、ひと晩越えられたな』と思う。人との出会いが、解決の糸口になることもありました。悩んでいるときこそ、自分の門を開けてみるのも手かもしれません」
麟太郎の母が営む美容院の客は迷信に囚われて身動きができなくなっているし、祖母は息子の死を受け入れられないまま。街の人びとはそれぞれに何事かを抱えながら、アンジーとの出会いによって変化していきます。
「不思議な映画ですよね。これ日本の映画? と思うくらいに。多才な俳優さんがたくさん出演してくださって、それぞれ個性が強くて実にユニークでした。アンジーのように自由に強く生きてみたい――。ご覧になった方がそう思ってくださったら嬉しいです」
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