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大人のおしゃれ手帖 12月号

大人のおしゃれ手帖

最新号&付録

大人のおしゃれ手帖
2024年12月号

2024年11月7日(木)発売
特別価格:1650円(税込)
表紙の人:天海祐希さん

2024年12月号

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普段の暮らしも快適になる
住まいの”ゆる防災”

災害時に在宅避難したいと考えている人に朗報!
現在の住まいでも片付けと防災用品を活用すれば、
安全な空間に早変わり! ヒントがいっぱいの熊田邸を紹介します。

お話を伺ったのは・・・
熊田明美さん
一般社団法人 防災備蓄収納プランナー協会の防災備蓄収納マスタープランナー。「快適な暮らし」と「安心できる生活」の両方を叶えるための片付け防災収納サポート、認定資格講座などを行っている。防災士・整理収納アドバイザー・調理師の資格も保有。

似合わない服より命が大事! 片付ければ安全性も高まる

防災備蓄収納マスタープランナーの熊田明美さんのご自宅は、すっきりきれい。
これは、日頃から防災を意識しているから。

「通路をふさがないために、廊下に物は置きません。また、地震のときに倒れたり飛んだりすると危険な素材のものは置かないように徹底。倒れ止めなども、できるだけインテリアの外観を損なわないものを選びます」(熊田さん)。

でも、片付けやモノを処分するのが苦手な人も少なくありません。
「50代だと特に、体のシルエットや肌の色味などが変化し、今までの洋服が似合わなくなることも。その場合、〝似合わなくなった服と命を守るモノ、どちらを選びますか?〞と尋ねます。すると、みなさん洋服を処分してくださいます」。

服に限らず、使用していないモノと、命を守るモノを比較してみると答えが出やすくなります。


キッチン

倒れると命に関わる冷蔵庫は上下でしっかり固定する
100㎏ 以上もある大型冷蔵庫が倒れると、人が下敷きになって命に関わるケガをしたり、キッチンから廊下への通路をふさぐことも。冷蔵庫内の食品や飲料が床にこぼれて滑って転ぶこともあります。しっかり固定して。

地震時は、食器や刃物は凶器に「飛ぶ、割れる」を防いで
地震のときに包丁や鍋が飛んでくると危険! 調理器具を使ったあとはすぐにしまう習慣をつけて。また、揺れを感知して自動ロックする「耐震ラッチ」が、収納扉に付いているか確認。付いていない場合は、食器などが棚から落ちない対策も必要。熊田さんの場合はさらに、割れにくいガラス製食器「コレール」を普段使いしています。

食器棚には滑り止めシートを敷く。100円ショップでも購入できる。無地の半透明や白ならインテリアに合わせやすい。

普段あまり使わない食器や容器は、落下防止のためソフトなポリエチレン製のケースに入れて収納。

引き戸が開かないようにS字フックを利用。ベビー用のドアロックなども便利。「完璧ではないがリスクは低くなる」と熊田さん。

オーブンレンジが足の上に落ちてくると骨折しかねないので、粘着マットで固定。写真のマットは100 円ショップで購入。

地震時は、食器や刃物は凶器に
地震のときに包丁や鍋が飛んでくると危険! 調理器具を使ったあとはすぐにしまう習慣をつけて。
また、揺れを感知して自動ロックする「耐震ラッチ」が、収納扉に付いているか確認。付いていない場合は、食器などが棚から落ちない対策も必要。
熊田さんの場合はさらに、割れにくいガラス製食器「コレール」を普段使いしています。


リビング

おもてなしのコーナーは食料品の備蓄庫も兼ねて
リビングで目を引くのが、お茶やお菓子が並んだキャビネット。来客時にはドリンクカウンターのように使っているそうですが、引き出しの中はおやつや飲料の備蓄庫に! 真似したいアイデアです。

引き出しの上段にはドライフルーツやナッツが。賞味期限を見やすい向きに並べているのがポイント。下段には常温保存可能なジュースや豆乳を備蓄。

来客時のドリンクカウンターには、お客様用のコップとして紙コップを常備。紙コップは災害時にも使用するため在庫管理は忘れない。

光触媒のフェイクグリーンや懐中電灯もインテリアに
防災対策とはいえ、家に何もなくて殺風景になるのは寂しい。
そこで熊田さんが取り入れているのがフェイクグリーン。プラスチックやバスケット素材など割れにくい素材のプランターに入れています。また、災害時に役立つ懐中電灯やソーラー多機能ラジオもすぐ使えるようディスプレイ。

背の高いグリーンは空気清浄機能がある光触媒の人工観葉植物。
その他のグリーンもフェイク。災害時、水やりができなくても枯れず、ゴミが出ない。
ランプは落ちないように、コードを2 回巻き付けて。


寝室・子ども部屋

睡眠中の災害に備えてガラス戸や家具の対策を万全に
睡眠中に大地震が起こることを想定した対策を。頭に物が落ちてこないようにベッドの向きに気をつけ、家具の位置を調整。停電対策で、枕元に懐中電灯を用意。暗闇での転倒を防ぐため、床には物を置かないように。

本棚のガラス戸には、ガラス飛散防止シートが貼ってある。透明タイプなので、本のタイトルもしっかり見える。

本棚と床の間には、前方だけに傾斜のついた固定具を挟んでいる。前方が少し持ち上がることで、より倒れにくくなる。

子ども部屋のベッドには、枕元に懐中電灯を常備。落ちてこないように、100 円ショップで買ったキッチン扉用の袋掛けを使って固定。


廊下

逃げるときに邪魔なものは一切置かないのが鉄則
廊下に雑誌や古新聞、段ボールを置いたり、ガラスの花瓶、割れる額装絵画などを飾っていると、災害時に避難の邪魔になるばかりか、割れて大ケガをすることも。廊下は命を救う逃げ道、ということを忘れずに!

玄関に通じる廊下の床には何も置かない。手前に見える花瓶は、100 円ショップで買った割れない素材のグラス。

停電して真っ暗になってもドアノブがどこかわかるように、各部屋のドアノブに蓄光テープを貼っている。

揺れで落ちるフォトフレームは選ばず、ウォールステッカーで装飾。


トイレ

トイレにも水やホイッスル! 閉じ込められたときにも安心
断水や停電でトイレが使えなくなったときのため、非常用トイレを常備。地震でトイレのドアが開かなくなる可能性があるので、閉じ込められたときに役立つ防災アイテムなども用意しています。

水のペットボトル(飲料水)、ホイッスル(助けを呼ぶため)、懐中電灯(停電時に使用)、扇子、またはうちわ(熱中症対策)などを常備。


撮影/原野 純一 文/中山恵子 画像素材/PIXTA

※大人のおしゃれ手帖2020年8月号をもとに再編集
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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