アワードに輝く俳優をこの作品でチェック！

『教皇選挙』監督：エドワード・ベルガー出演：レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、イザベラ・ロッセリーニ TOHOシネマズシャンテほか全国公開中

ハリウッドの祭典であるアカデミー賞に向けて、日本でも有力作が続々と公開されるアワードシーズン。
俳優に注目して観たい３本をピックアップ。

『教皇選挙』

カトリック教会の最高指導者であり、バチカン市国の元首であるローマ教皇が死去。新しい教皇を決めるため、ローレンス枢機卿が教皇選挙（コンクラーベ）を執り仕切ることになる。しかしそこには、さまざまな問題が隠されていた。知られざる選挙を題材にした小説をもとに、Netflix映画『西部戦線異状なし』のエドワード・ベルガー監督が映画化。
アカデミー賞では作品賞、脚色賞、主演男優賞をはじめ８部門にノミネートされるなど、今年の賞レースを牽引する作品となった。
赤と白のコントラストが美しい映像で描かれる、聖職者たちの間でうごめく欲望や権力――。苦悩に満ちた表情を見せるレイフ・ファインズの名演に導かれてコンクラーベの裏側へ。
終盤で描かれるある人物によるあまりにも衝撃的な告白は、答えを導き出すことが難しい問いとして、観る者の心に揺さぶりをかける。

監督：エドワード・ベルガー
出演：レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、イザベラ・ロッセリーニ

TOHOシネマズシャンテほか全国公開中

『エミリア・ペレス』

運命を切り拓く女性の戦いを見せ切る俳優陣のアンサンブル

能力をボスに利用される日々を送っている弁護士のリタ。彼女のもとに、性別適合手術を受ける覚悟を決めた麻薬カルテルのリーダーから、「女性としての新たな人生を用意してほしい」という極秘の依頼が舞い込む。
男性社会のなかでもがき、戦ってきた女たちが自らの手で運命を切り拓いていく物語。
自身もトランスジェンダーである主演のカルラ・ソフィア・ガスコン、リタを演じたゾーイ・サルダナら４人のキャストがカンヌ国際映画祭女優賞を受賞。アカデミー賞では作品賞をはじめ最多12部門13ノミネートの快挙を達成している。
『ディーパンの闘い』などで知られる名匠、ジャック・オーディアール監督がミュージカルを取り入れながら、ジャンルレスな作品を生み出した。
多様性の時代のオペラは、かくも刺激的で切なく、美しい。

監督：ジャック・オーディアール
出演：ゾーイ・サルダナ、カルラ・ソフィア・ガスコン、セレーナ・ゴメス

新宿ピカデリーほか全国公開中

〈U-NEXT〉
『トゥルー・ディテクティブナイト・カントリー』

名優が久々にドラマ出演難ありの警察官を骨太に演じる

舞台は極寒のアラスカ。北極研究所に駐在していた男たちが忽然と姿を消すという事件が発生。
現場には、人間の舌が残されていた。地元警察の署長と巡査がタッグを組み、真相を追うことになる。人気ドラマシリーズ『トゥルー・ディテクティブ』のシーズン４にあたるが、このシーズンだけを観ても世界観に入り込める作り。
雪に包まれた土地のほの暗さや不可思議な出来事、現代社会が抱える闇が描かれ、先読みできない物語に引き込まれる。
久々のテレビドラマ出演となったジョディ・フォスターは問題を抱える署長を骨太に演じ、ゴールデングローブ賞のリミテッド／アンソロジー部門主演女優賞などを受賞。
元プロボクシング世界３団体統一王者でもあるカーリー・レイスとのバディが、ダークなクライムドラマを盛り上げる。
監督：イッサ・ロペス
出演：ジョディ・フォスター、カーリー・レイス、
ジョン・ホークス、フィン・ベネット

U-NEXTにて見放題独占配信中

選・文／細谷美香

大人のおしゃれ手帖2025年4月号より抜粋
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