人気“傘ソムリエ”が伝授!傘の正しいお手入れ法
地球温暖化の影響か、予期せぬゲリラ豪雨に見舞われたり、強い紫外線にさらされる機会が増えたりと、環境の変化が気になる今日この頃。これまでは梅雨や台風の季節にしか登場することがなかった傘も、いまや365日携帯するのが当たり前になってきました。
そんな生活必需品、傘の正しい保管方法やお手入れとは?
どんな天気にも負けないプロおすすめの傘とは?
世界にたった一人しかいない“傘ソムリエ”、テレビなどでもおなじみ、土屋博勇喜さんにお話を伺ってきました。
傘の正しい保管方法

傘は傘立てに立てかけておくもの。おそらく多くの人は、傘を玄関先のスタンドに出しっぱなし、あるいはシューズクローゼットにしまいっぱなしにしているのではないでしょうか。しかし「傘も、洋服やリネン類などと同じように、定期的に風を通してあげてほしい」と土屋さん。「傘を放置していると、まず骨よりも先に生地に傷みが表れます。そして雨天の中、開閉を繰り返すことで骨もやがて消耗し、骨のパーツから錆びはじめ、折れたり、分解したりしてしまいます。また、雨に濡れたまま放置していればカビが繁殖しやすくなり、これによってツンとした悪臭を発生させます。生地同士が張り付いてしまい、無理やり剥がそうとすると破れることもあります。雨傘は湿気の多い季節に使うもの、日傘は高温時に使用するものですが、傘にとって高温多湿な環境は大敵なんです」。傘の素材の多くはポリエステルまたは布、骨の部分は金属または樹脂です。いくら防水・はっ水加工を施しているとはいえ、濡れたまま、あるいはほとんど開閉することなく放置していると、生地や骨部分が劣化するのは当然のこと。「雨傘を使ったら広げて陰干しし、十分に乾かしてから保管すると持ちが良くなります」(土屋さん)。

3月から11月くらいまでは紫外線が強く、春・秋でも夏日になる日が続出する現代。そんななかで老若男女問わず需要が高まっているのが、内側に黒いコーティングが施された晴雨兼用傘です。「この黒いコーティングは『ポリウレタンコーティング』といいます。防水加工を施した生地の上から、さらに耐水性のあるポリウレタンを塗布して覆うことでUVカットや遮熱効果を高めている状態です。しかしこのコーティング、放置しているとボロボロと剥がれ落ちてきてしまうことがあるんです。これを『加水分解』といいます。この加水分解を起こさせないためには、雨傘同様、やはり風を通してあげることが重要。たとえ雨に濡れていなくても、普段なかなか登場しない傘であっても、定期的に開いて、30分ほど風を通してあげることが大切です。もしくは、手持ちの傘をローテーションで使うのもいいアイデアですね。ローテーションで使用すれば、使わないまま傷んでいくことも避けられ、メンテナンスさえしっかりしていれば、傘の寿命も長く保てるようになります」(土屋さん)。
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【今回お話を伺ったのは…】
世界で唯一の傘ソムリエ 土屋博勇喜さん
22歳から、大手ホームセンターでレイングッズを担当。さまざまなメーカーの傘に触れ、傘の虜となる。2019年株式会社ウォーターフロントへ入社。傘のスペシャリストとしてその魅力を世界に発信する傘ソムリエ、土屋さんのコレクション数はなんと現在230本! 所持する傘で自ら耐風性やはっ水性のテストを実施し、説得力のある接客で各メーカーやカスタマーからの支持も高い。販売はもちろん、レイングッズの開発、監修などを行いながら、各種メディアに多数出演。
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この記事を書いた人
エディター/ライター久武ミキ
出版社、広告会社勤務を経て独立。女性誌、専門誌などでビューティー&ウェルネス、アートを中心に、ライフスタイルにまつわる記事を多数執筆。東京と鎌倉で2拠点生活をおくる猫好き編集者。





