【必見の展覧会】「奈良国立博物館」の特別展「超 国宝―祈りのかがやき―」は、見なかったら一生の損かも!? 仏教&神道美術のスター大集合!
あの作品をこんな角度で見られるなんて! 感極まって泣きそうに
大興奮で次の会場に向かおうとしていたら、館長の井上洋一先生にばったりお目にかかったので、記念写真をお願いしてしまいました。お忙しいなか、ありがとうございました!
こちらは国宝 竜首水瓶(りゅうしゅすいびょう)〈飛鳥時代(7世紀)/東京国立博物館〉。横から撮影されることが当然多いのですが、こんなふうに真正面はもちろん、360°どこからでもじっくり鑑賞できます。実際に見てみると、表面に刻まれたペガサスのような模様や、瞳にキラッと輝くグリーンのガラスが嵌め込まれているのもわかります。
雨乞いの霊験があらたかと信仰を集めたという八雷神面(はちらいじんめん)〈室町〜江戸時代(16〜17世紀)/奈良・元興寺〉。パッと見、ひとつのお面に見えますが、8つの面が組み合わされています。アルチンボルドの果物や野菜などを組み合わせた風変わりな肖像画に通じるデザインですね。
こちらはいわゆる“国宝”には指定されていませんが、今回の展示では奈良博ならでは視点で選び抜いた“未来の国宝”ともいうべき、“超 国宝”な作品も出陳されています。
今年に入ってから国宝に追加されたばかりの国宝 伎楽面(ぎがくめん)呉公(ごこう)〈飛鳥時代(7世紀)・東京国立博物館(法隆寺献納宝物)〉。伎楽は、聖徳太子の頃に日本にもたらされたという古代の仮面劇で、東大寺の大仏開眼の際には大々的に奉納されたと伝えられています。
ちなみに、私はその振興を目指して立ち上げられた「白鳳楽舎」のお手伝いもしていたりします。
「白鳳楽舎」についてご紹介した過去記事はこちら!
お寺にはよく塔がありますが、何のために建てられたものかご存じでしょうか? 実は塔には、基本的にお舎利(しゃり。お釈迦さまの骨。水晶などで見立てられていることが多い)が収められています。つまり、お寺の塔はお釈迦さまのお墓なわけです。
大切なお舎利を収める容器は、ものすごく美しい工芸品であることが多いのですが、そのなかでも超絶技巧の塊ともいえるのが国宝 金銅透彫舎利容器(こんどうすかしぼりしゃりようき)〈鎌倉時代(13〜14世紀)/奈良・西大寺〉。
当然電動の道具が存在しない時代に作られているのに、この細工の細かやかさよ……。昔の人の祈りのパワーの強さといおうか、パッションが段違いですね。
ふだんは年1回の法要でしかお目にかかれない国宝 金亀舎利塔(きんきしゃりとう)〈鎌倉時代(13世紀)/奈良・唐招提寺〉。こちらも超絶技巧の塊です。
仏教美術・神道美術は(多少はあるかもしれませんが基本的に)作者の自己表現のためではなく、祈りの気持ちから形作られています。古代のもので名前が記されている例はまれです。はるか昔の作り手が生み出し、それを今に至るまで守り伝えてきてくれた方々がいて、目の前に在ってくれているなんて……まさに奇跡です。