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大人のおしゃれ手帖 5月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2025年5月号

2025年4月7日(月)発売
特別価格:1480円(税込) 
表紙の人:吉瀬美智子さん

2025年5月号

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【必見の展覧会】「奈良国立博物館」の特別展「超 国宝―祈りのかがやき―」は、見なかったら一生の損かも!? 仏教&神道美術のスター大集合!

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祈りの心があってこそ今に伝えられた至高の美

現存するなかで最も若い頃の運慶(うんけい)作品とされる国宝 大日如来坐像(だいにちにょらいざぞう)〈平安時代(安元2年(1176))/奈良・円成寺〉。20代でこの造形力。どうなってるんでしょうか、運慶。

智拳印(ちけんいん)を結ぶふっくらとした指先は、みずみずしい弾力までも感じさせます。

中学校の修学旅行で恩師から「仏像は、目の合う角度から見なさい」と教えていただいて以来、私は今でも仏さまと目の合う角度を探して拝んでいます(なので、博物館ではよくしゃがんでいます)。

なんともユーモラス、それでいておどろおどろしいシーンが描かれている国宝 辟邪絵(へきじゃえ)〈平安時代(12世紀)/奈良国立博物館〉。疫病をもたらす鬼をとっ捕まえ、なぜか酢に漬けて食べるという「天刑星(てんけいせい)」。

朝に3,000、夜に300の鬼を捕まえて食べるという「神虫」。ビジュアルはすごいですが、ヒーロー側のキャラクターなんですね。

私が学生時代に助勤(アルバイトともいう)させていただいていた薬師寺の鎮守社・休ヶ岡八幡宮(やすみがおかはちまんぐう)に伝えられてきた国宝 八幡三神坐像(はちまんさんしんざぞう)〈平安時代(9世紀)/奈良・薬師寺〉。今まで見た展示のなかで、もともとお祀りされていた空間をもっとも感じられる展示に、さすがナラハク、と感無量でした。

ちなみに、東大寺を建てる際に、大分の宇佐から八幡神が勧請(かんじょう。お迎えすること)されたことから、奈良の古いお寺では八幡さまがお祀りされていることが多いです。薬師寺でも、大きな法要の前にはお坊さんたちが八幡さまにお参りされています。

国宝 七支刀(しちしとう)〈古墳時代(4世紀)/奈良・石上神宮〉の周りには人だかりができていました。奈良時代の歴史書『日本書紀』には「七枝刀(ななつさやのたち)」という記述があるなど、数々の伝説に彩られたストーリー、そして今なおどうやって作られたかはっきりしていないミステリアスなデザインがあいまって、歴史ロマンと想像力を掻き立てられます。

ちなみに、あえて写真は載せませんが、最後の一室の展示もとても素敵でした。ある仏さまがたった一体だけ、真っ白な空間に浮かぶように展示されています。このほかにも、メディアですら撮影NGの作品もありました。ですから、行くしかない! なのです!

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