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大人のおしゃれ手帖 6月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2025年6月号

2025年5月7日(水)発売
特別価格:1540円(税込)
表紙の人:木村佳乃さん

2025年6月号

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【必見の特別展】万博イヤーの大阪に国宝が集結! 大阪市立美術館「日本国宝展」でニッポンの美を堪能

ふなつあさこ

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「見覚え、あります!」な名作のホンモノを一気見!

展示室に足を踏み入れてまず驚くのは、そのバリエーションの豊富さ。大きく「ニッポンの国宝」と「おおさかゆかりの国宝」に分けて展示されているのですが、縄文時代から近代までの国宝という国宝が、ずらりと並んでいます。考古、仏教美術、絵画、刀、工芸などオールジャンルで、万博イヤーにふさわしい華やかな美が集っています。

思わず駆け寄ってしまったのは伊藤若冲(じゃくちゅう)の《動植綵絵(どうしょくさいえ)》のうち「秋塘群雀図(しゅうとうぐんじゃくず)」「群鶏図」「芦雁図(ろがんず)」〈江戸時代(18世紀)/国(皇居三の丸尚蔵館収蔵)〉。

大胆な構図、そして極彩色で細密に描かれた鳥たち。写実的でありながら絵画的であり、それはまさにキャプションに書かれていた「リアリティのある夢のような世界」。

《花鳥図襖》狩野永徳(かのうえいとく)〈室町~桃山時代(16世紀)/京都・聚光院(じゅこういん)〉。襖4面に大きく枝を伸ばす梅の古木。墨の濃淡だけで躍動的に描き出される巨木のスケールに見入ってしまうはず。

橋の下をゆく舟のモチーフに和歌を散らした、丸くふっくらとふくらんだ硯箱《舟橋蒔絵硯箱》本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)〈江戸時代(17世紀)/東京国立博物館〉は、日本工芸の粋。なんというデザインセンス。なんという技術。

日本の美のプリミティブなカタチ《深鉢形土器①火焔型土器 ②王冠型土器》〈縄文時代中期(約5400~4500年前)/新潟・十日町市〉。何を思ってこういうデザインを生み出し、何のために使われたのか、想像力が刺激されます。

妙なる音色が聴こえてきそうな《天蓋附属 天人》〈白鳳時代(7世紀)奈良・法隆寺〉。奈良時代の衣服やヘアスタイルってこんな感じだったのでしょうか。ゴムがあるわけないので、何を使ってお団子してたんでしょうね?

さまざまな珍しい病気が描かれ、医学史的な価値も高い《病草紙(やまいのそうし)》のうち「歯槽膿漏の男」〈平安時代(12世紀)/京都国立博物館〉。ここではご紹介できない、モザイクかけなきゃいけないようなシーンも登場します。絵としてはファニーなのですが、患者さんたちは切実だったはず……!

カラフルかつ柄もさまざまな料紙に目を奪われる《古今和歌集序》藤原定実(ふじわらのさだざね)〈平安時代(12世紀)/東京・大倉集古館〉。平安時代にもうこんな素晴らしい紙を作ることができ、こんな風雅を楽しんでいたなんて。

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この記事を書いた人

編集者 ふなつあさこ

編集者ふなつあさこ

生まれも育ちも東京ながら、幼少の頃より関西(とくに奈良)に憧れ、奈良女子大学に進学。卒業後、宝島社にて編集職に就き『LOVE! 京都』はじめ関西ブランドのムックなどを手がける。2022年、結婚を機に奈良へ“Nターン”。現在はフリーランスの編集者として奈良と東京を行き来しながら働きつつ、ほんのり梵妻業もこなす日々。

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