【50代のこよみ養生 Vol.29】熱中症対策の「暑熱順化」は、発汗を整える薬膳をとり入れて
発汗機能を整える薬膳で、暑熱順化をよりスムーズに
暑熱順化のための汗をかくトレーニングを、薬膳で体の内側からもサポートしていきましょう。
東洋医学では、発汗は衛気(えき)と営気(えいき)の働きが深く関係していると考えられています。
衛気、営気ともに気(き=エネルギー)の一種。衛気は皮膚などの体表面を流れるエネルギーで、その役割のひとつに毛穴の開閉を調整して発汗をコントロールする働きがあります。一方営気は、血液を作り出し、血液中の栄養成分として体内をめぐっている気。汗は血液から生まれるので、営気も汗と深い関わりがあります。
この体表面を流れる衛気と血液中を流れる営気のどちらか一方、もしくは両方が不足してバランスが悪くなると、汗をかきにくくなったり逆に汗をかきすぎたりして、発汗が正常に行われなくなることに。そこで、衛気と営気のバランスを整える薬膳をとり入れると発汗機能が整い、汗をかくトレーニングをサポートすることができるのです。
衛気と営気のバランスを整える代表的な薬膳食材は、なつめとはちみつ。なつめのはちみつ漬けを作ると、ふたつの食材を一緒にとることができます。作り方は、洗ったなつめ数個を食べやすい大きさにカットして保存容器に入れ、はちみつを適量注いで数日間置くだけ。そのまま食べてもいいし、トーストに乗せたり、白湯やお茶に入れて飲むのもおいしいですよ。汗をかきにくい人だけでなく、汗をかきすぎてしまう人や寝汗が気になる人にもおすすめ。暑熱順化が完了した後も夏の間はなつめとはちみつをとり続けると、夏バテ予防にも役立ちます。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
Twitter:@MomoOtsubo
Website:https://toyoigaku-shizen.com/
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