【50代のこよみ養生 Vol.30】精神的な疲れ、情緒不安定……初夏のメンタルをケアする薬膳・ツボ
徐々に暑くなってくるこの時期は、心拍数が高くなったり血流量が増えたりして、心臓や血管に負担がかかりやすいとき。心臓や血管の働きを東洋医学では心(しん)と呼びますが、心には“こころの働き”も含まれているため、心に負担がかかると“こころの不調”も現れやすくなると考えます。
そこで今回は、暑さによって心に負担がかかると現れやすい、“こころの不調”をケアする養生法をご紹介します。
夏は心(しん)に負担がかかり、こころの不調も現れやすい
1年を約5日ごとに区切った「七十二候(しちじゅうにこう)」というこよみでは、5月31日~6月4日は「麦秋至(むぎのときいたる)」という時節になります。麦が実りを迎える時期を意味するのですが、「初夏なのになんで秋?」と思ってしまいますよね。これは、実りの季節といえば秋であることから、麦が実るこの季節を「麦の秋」や「麦秋(ばくしゅう)」と呼ぶため。「秋」とつくのにどちらも初夏の季語だというから、おもしろいですね。
旬を迎える大麦と小麦はどちらも体の余分な熱をとる食材なので、まさにこれからの季節に最適ですが、特に小麦は五臓の心(しん)の働きを助けて精神を安定させる性質もある特徴的な食材です。
「50代のこよみ養生 Vol.27」でも触れましたが、夏(立夏〜大暑)は心の働きがさかんになる季節です。働きがさかんということは負担がかかりやすいということなので、不調も現れやすいということ。東洋医学における心とは、心臓や血管の働きに加えて“こころの働き”も含まれているので、夏は心の“こころの働き”に関わる不調も現れやすい季節なのです。
心の“こころの働き”が正常であれば、精神が充実して安定し、意識がはっきりして頭が冴え、反応が早く、頭の回転がよくなります。
反対に、心の“こころの働き”が不調になると、不眠、夢をよく見る、情緒不安定、ぼんやりする、もの忘れ、記憶力や集中力の低下など、さまざまな精神的症状が現れやすくなります。
心に負担がかかりやすいこれからの季節は、小麦をはじめとする心をサポートする薬膳や生活養生、心の働きを助けるツボ押しなどで、メンタルケアをしていきましょう。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
Twitter:@MomoOtsubo
Website:https://toyoigaku-shizen.com/
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