不景気になるとふりかけが売れる!?
清水ミチコさんの「モノ語り」
「モノ」に囲まれて暮らす私たち。だからこそ、そばに置くモノのことはとっても気になります。
清水ミチコさんの「モノ語り」。
清水さんが今気になっているモノ、お気に入りのモノについて綴ります。
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好景気 追いかけるより ふりかけて
「景気が低下するとたちまち犯罪が増加する」と言いますが、今年は本当にお金に関する事件がやたら増えました。
この間は有名銀行の貸金庫ですら使い込みをされていたではありませんか。使ったことも見たことすらない貸金庫の世界ですが、信じて入れていた人は、もうあのシステムも信用できなくなったかもわかりませんね。
そして海外でバイトがあるなどと言ってだます詐欺、さらにはオンラインカジノ問題など、金銭関係の犯罪は増加の一途をたどっています。
ニュースを見ていると、どうやら銀行系の犯人には女性が多く、詐欺やカジノは男性が多いような。
そうしてみるとなんとなく、男性は一か八かの犯行に流されがちで、女性の方が着実な犯行を好むと言えなくもないですね。
不景気になるともう一つ増えるもの。それは「ふりかけ」の売り上げなんだそう。意表を突かれながらも、なるほど納得な話ではないでしょうか。おかずが高くて困った時は、昔からこの子が必ず助けてくれました。
日本人のつましさが詰まったあの味。だいたいふりかけというものに「これはまずかった」っていう話をまず聞いたことがありません。あの甘くてしょっぱい絶妙な味つけは安くて手軽で、誰からも好まれ、これからも貸金庫よりだんぜん信頼されて行くことでしょう(しつこいな)。
そんな中でも、熊本に行ったときにおみやげ屋さんで買った「御飯の友」は私の好みの味でした。今でも熊本に行った時は必ず買っています。長い歴史を感じるロゴに、「カルシウムたっぷり」というコピーがかわいい。魚やワカメのマークもなんだかなつかしいデザイン。
でしゃばらない素朴な味つけだからこそ、飽きさせない商品としての歴史を重ねたのでしょう。
ついでに関係ない話ですが、ゆるキャラの中でも常に大人気の「くまモン」。しかし実は熊本には野生の熊は一頭もいないんだそうで、びっくり。
あれだけ熊を推しているのに、いないんかい!とツッコむ「いちゃモン」というメスのゆるキャラを出しません?
今回の気になる物産
「御飯の友」
全国津々浦々でしのぎを削るごはんの供。
その中で今回清水さんがお気に入りとして紹介してくれたのが、こちらの「御飯の友」。
地元の熊本県では給食でも採用されている、熊本県民のソウルフードです。
その歴史は大正2年から。薬剤師の吉丸末吉さんが、不足しがちなカルシウムを補おうと考案しました。厳選した国産いりこ(煮干し)が丸ごと使われていて自然のカルシウムがたっぷり。
甘めのしょうゆ味が食欲をそそります。
御飯の友(ジップパック入り22g)¥135 /フタバ
フタバ 096-356-3488
清水ミチコ
岐阜県出身。1987 年のデビュー以降、テレビ・ラジオのほか、エッセイ執筆、CD制作、ライブと、幅広く活躍。公式サイト4325.netをチェック!
イラスト(ロゴ)/とみこはん 文・編集/鈴木香里
大人のおしゃれ手帖2025年5月号より抜粋
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