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大人のおしゃれ手帖 7月号

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大人のおしゃれ手帖
2025年7月号

2025年6月6日(金)発売
特別価格:1570円(税込)
表紙の人:中谷美紀さん

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【高野山への旅/前編】 “パワースポット”なんて言葉じゃ軽すぎる! 導きの神おわす「丹生都比売神社」から始まる聖地巡りと話題の駅舎ホテルを体験!

ふなつあさこ

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高野詣では「丹生都比売神社」へ行かなきゃ“片参り”

和歌山 かつらぎ町 丹生都比売神社作家・白洲正子が代表作『かくれ里』で天上の「高天原」にもたとえた高野山のふもと、かつらぎ町に鎮まる丹生都比売(にうつひめ)神社。その起こりは古く1700年ほど前に遡るそう。そして古来、高野山を参拝する前にまずこちらを詣でるのがならわしです。どちらかしかお参りしないと“片参り”になってしまいますから、高野山旅のスタートはぜひ丹生都比売神社から!

平成十六年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として、高野山、熊野、吉野地域とともに丹生都比売神社も世界遺産に登録されています。のどかな田園地帯に、流麗な社殿が突如として現れるさまは、白洲正子が「桃源郷」ともたとえたのもうなずける光景。

287_高野山 壇上伽藍

写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

一旦ここで、高野山について復習しておきましょう。訪れたことがない方は高野山=山だと思っておられるかもしれませんが、実は“高野山”という山はありません。和歌山県北部・伊都郡高野町の地域を指す名称で、外八葉(そとはちよう)・内八葉(うちはちよう)と呼ばれる1000m級の峰々に、ちょうど蓮の花のように囲まれた山上盆地を指す名称です。

そんな高野山を開いたのが、平安時代初期の高僧・弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)。真言宗の開祖であり、その修行道場となる地を探し求めて高野山にたどり着いたのです(空海さんのプロフィールは、簡単にまとめたつもりが長くなりすぎたので最後にご紹介します)。

和歌山 かつらぎ町 丹生都比売神社丹生都比売神社の主神として第一殿にお祀りされているのは、古来魔除けとされ不老不死の象徴でもあった丹(赤)をまとう女神・丹生都比売大神。「お大師さん」として親しまれる空海に神領の高野山を授けた、高野山一帯の地主神でもあります。

和歌山 かつらぎ町 丹生都比売神社第二殿には丹生都比売大神の御子神・高野御子大神がお祀りされています。狩人の姿で空海さんの前に現れて、白と黒の犬とともに高野山へと導いたとされています。権禰宜(ごんねぎ)の藤野さんが詳しく教えてくださいました。

高野山・金剛峯寺のお坊さんたちは、今でも四度加行(しどけぎょう)という修行の前後にも神社にお参りに訪れるそう。

神仏分離令(神さまと仏さまを分けて信仰するようにという法律)が出された明治時代以前、日本では神仏をとけ合うように大切に信仰してきましたが、『今昔物語』などに記された高野山開山の物語は、神と仏が共にある、日本の祈りのすがたの源泉といえるでしょう。

和歌山 かつらぎ町 丹生都比売神社

写真提供:丹生都比売神社

現代の「みちびきのご神犬」として奉納された紀州犬(天然記念物)の親子、白犬のすずひめ号と、黒犬の大輝号。10月をのぞく毎月16日の午前10時から11時30分/午後1時から2時30分に公開されています(※ご神犬の体調によっては中止となる場合もあるとのこと)。

和歌山 かつらぎ町 丹生都比売神社ご神犬をあしらったお守りも。

和歌山 かつらぎ町 丹生都比売神社こちらのちょっとオーパーツみたいな石碑、最近ちょっとした人気を博しているそう。お坊さん(=夫)に聞いてみたら、「たぶん光明真言曼荼羅(こうみょうしんごんまんだら)」とのことでした。

和歌山 かつらぎ町 丹生都比売神社 カフェ客殿

和歌山 かつらぎ町 丹生都比売神社 カフェ客殿参拝を終えて、門前の「カフェ客殿」でランチ。かつらぎ町のブランド米「天野米」のごはんをたっぷりのおかずとともに味わえます。ごはんを白ごはん、塩おむすび、茶粥、卵かけごはんから選べるのも嬉しい!

営業日が不規則なので、Instagramで最新情報をチェックしてからお訪ねを。予約がおすすめです。

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この記事を書いた人

編集者 ふなつあさこ

編集者ふなつあさこ

生まれも育ちも東京ながら、幼少の頃より関西(とくに奈良)に憧れ、奈良女子大学に進学。卒業後、宝島社にて編集職に就き『LOVE! 京都』はじめ関西ブランドのムックなどを手がける。2022年、結婚を機に奈良へ“Nターン”。現在はフリーランスの編集者として奈良と東京を行き来しながら働きつつ、ほんのり梵妻業もこなす日々。

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