【高野山への旅/前編】 “パワースポット”なんて言葉じゃ軽すぎる! 導きの神おわす「丹生都比売神社」から始まる聖地巡りと話題の駅舎ホテルを体験!
高野詣では「丹生都比売神社」へ行かなきゃ“片参り”
作家・白洲正子が代表作『かくれ里』で天上の「高天原」にもたとえた高野山のふもと、かつらぎ町に鎮まる丹生都比売(にうつひめ)神社。その起こりは古く1700年ほど前に遡るそう。そして古来、高野山を参拝する前にまずこちらを詣でるのがならわしです。どちらかしかお参りしないと“片参り”になってしまいますから、高野山旅のスタートはぜひ丹生都比売神社から!
平成十六年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として、高野山、熊野、吉野地域とともに丹生都比売神社も世界遺産に登録されています。のどかな田園地帯に、流麗な社殿が突如として現れるさまは、白洲正子が「桃源郷」ともたとえたのもうなずける光景。
写真提供:(公社)和歌山県観光連盟
一旦ここで、高野山について復習しておきましょう。訪れたことがない方は高野山=山だと思っておられるかもしれませんが、実は“高野山”という山はありません。和歌山県北部・伊都郡高野町の地域を指す名称で、外八葉(そとはちよう)・内八葉(うちはちよう)と呼ばれる1000m級の峰々に、ちょうど蓮の花のように囲まれた山上盆地を指す名称です。
そんな高野山を開いたのが、平安時代初期の高僧・弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)。真言宗の開祖であり、その修行道場となる地を探し求めて高野山にたどり着いたのです(空海さんのプロフィールは、簡単にまとめたつもりが長くなりすぎたので最後にご紹介します)。
丹生都比売神社の主神として第一殿にお祀りされているのは、古来魔除けとされ不老不死の象徴でもあった丹(赤)をまとう女神・丹生都比売大神。「お大師さん」として親しまれる空海に神領の高野山を授けた、高野山一帯の地主神でもあります。
第二殿には丹生都比売大神の御子神・高野御子大神がお祀りされています。狩人の姿で空海さんの前に現れて、白と黒の犬とともに高野山へと導いたとされています。権禰宜(ごんねぎ)の藤野さんが詳しく教えてくださいました。
高野山・金剛峯寺のお坊さんたちは、今でも四度加行(しどけぎょう)という修行の前後にも神社にお参りに訪れるそう。
神仏分離令(神さまと仏さまを分けて信仰するようにという法律)が出された明治時代以前、日本では神仏をとけ合うように大切に信仰してきましたが、『今昔物語』などに記された高野山開山の物語は、神と仏が共にある、日本の祈りのすがたの源泉といえるでしょう。
写真提供:丹生都比売神社
現代の「みちびきのご神犬」として奉納された紀州犬(天然記念物)の親子、白犬のすずひめ号と、黒犬の大輝号。10月をのぞく毎月16日の午前10時から11時30分/午後1時から2時30分に公開されています(※ご神犬の体調によっては中止となる場合もあるとのこと)。
ご神犬をあしらったお守りも。
こちらのちょっとオーパーツみたいな石碑、最近ちょっとした人気を博しているそう。お坊さん(=夫)に聞いてみたら、「たぶん光明真言曼荼羅(こうみょうしんごんまんだら)」とのことでした。
参拝を終えて、門前の「カフェ客殿」でランチ。かつらぎ町のブランド米「天野米」のごはんをたっぷりのおかずとともに味わえます。ごはんを白ごはん、塩おむすび、茶粥、卵かけごはんから選べるのも嬉しい!
営業日が不規則なので、Instagramで最新情報をチェックしてからお訪ねを。予約がおすすめです。
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