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2025年7月号

2025年6月6日(金)発売
特別価格:1570円(税込)
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号泣必至の感動作! パット・ブーンニティパット監督が語る
“おばあちゃんと僕の約束”とは?

中山恵子

タイで記録的大ヒット!『おばあちゃんと僕の約束』©2024 GDH 559 CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED

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『おばあちゃんと僕の約束』©2024 GDH 559 CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED


 大学を中退した青年エムは、母と暮らしながら、細々とゲーム実況を続ける日々。いかに楽をして暮らすかを模索するなか、一人暮らしの祖母がステージ4のがんに侵されていることが判明。エムは祖母の介護をして遺産を相続しようという不謹慎な動機から同居を始めますが、早起きすらできず、働き者の祖母に怒られてばかり。さらには裕福な長男一家や借金苦の末息子も近寄ってきて……。

 バンコクに暮らす中国系タイ人の家族の物語を描いた『おばあちゃんと僕の約束』は、2024年に本国タイで公開されると、“泣ける映画”として若者を中心に多くの観客の心をつかみ、タイ映画史上最高の世界興行収入120 億円超を記録しました。

 監督・脚本は、本作が長編映画初監督作品となるパット・ブーンニティパット。主人公の孫エムを演じるのは、タイの人気俳優でシンガーのビルキンことプッティポン・アッサラッタナクン。おばあちゃん役は、78歳にして初めて長編映画に出演したウサー・セームカムが演じています。

 高齢化社会の問題や家族の絆を温かな視点で、ときにユーモアや毒をちりばめながら描き、国も世代も超えた感動作を作り上げたブーンニティパット監督の才能には驚くばかり。今回、日本での劇場公開を前に5月に来日した監督にインタビューを行い、撮影秘話や自身の祖母とのエピソードなどをうかがいました。

『おばあちゃんと僕の約束』のパット・ブーンニティパット監督が来日、インタビューを行った。パット・ブーンニティパット監督にインタビュー(2025年5月下旬、東京都内)

タイでは家族の映画はヒットしないといわれていました

――本作は、脚本家の発案をもとに、ブーンニティパット監督が参加して共に脚本を書き上げたと聞いています。もともとお知り合いだったのですか?

パット・ブーンニティパット監督(以下、ブーンニティパット):脚本家が書いた短いプロットをプロデューサーが気に入り、監督をやらないかと声をかけていただきました、プロットを読んで、ぜひやりたい、と思いました。また、タイでは家族の映画は少なく、しかも大手映画製作会社(GDH 559)のもとで作られることはめったにないので、よい機会だと思いました。脚本家は僕より少し年上で、同じ大学の出身ですが、今まで一緒に作品を作ったことはありませんでした。

――長編デビュー作が大ヒットを記録しました。予想していましたか?

ブーンニティパット:私の最初の監督作であると同時に最後の監督作になるかもしれないと思っていました。タイでは家族を描いた映画は興行収入を上げられないと聞いていたからです。監督を引き受けたときは、大変だけれどせめて赤字を出さないように精一杯やろう、と思いました。それでどういうスタイルにするか考えたとき、僕自身が好きな古い映画を観た後のような、フラストレーションを感じさせない作品を撮ろうと決めました。この映画で有名になろうとか興行収入を上げようとかは一切考えずによい映画を撮ることに徹したので、観客に対してとても誠実な作品になったと思います。 

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構成・文

ライター 中山恵子

ライター中山恵子

ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。

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