【桐島かれんさん】かれんさんが「大人のおしゃれ手帖」9月号がで習った和菓子は……? ①
日本の伝統が息づく繊細な美の世界、和菓子。見た目の美しさはもちろん、丁寧に積み重ねられた工程を知ることで、より深く魅了されていきます。
現在発売中の『大人のおしゃれ手帖』9月号では、桐島かれんさんが秋の花「桔梗」をモチーフにした和菓子づくりを体験。そのひとつひとつの作業の中にも、和の文化の美意識と奥深さが詰まっています。
上生菓子の基本となる「薯蕷餡(じょうよあん)」
講師を務める和菓子職人・永用昌也さんが、日本の四季と和菓子との深いつながりや、使われている材料について、丁寧に解説してくれます。
上生菓子の材料となるのが白あんをベースに大和芋をつなぎとして用いた「薯蕷餡(じょうよあん)」。大和芋の代わりに求肥などをつなぎとして使うこともできるそうですが、永用さんは味わいを重視し、大和芋を使っているそう。芋の繊維が気にならなくなるまで、何度もふるいで漉してなめらかにしたものが、基本の材料となります。
①二色の餡で、やわらかなベースをつくる
よくもんでなめらかにした紫の薯蕷餡に、白の薯蕷餡を重ねて2層にし、薄くなるように手のひらで押し広げます。
②黄身餡を包み、丸く整える
中心に黄身餡をのせて包み込み、きれいな丸になるように形を整えます。
③中央に目印をつける
中央を箸で軽く押し、目印をつけます。
④花びらのガイドラインを引く
先ほどつけた目印を中心に三角棒を滑らせるようにして、花びらをつくるための五等分の線を引きます。
⑤指で花びらを形作る
指で中央から外側押し、その後、花びらの先端を整え、花びらの形をつくっていきます。この工程のなかで、紫の下に仕込んだ白い生地がかすかに現れ、表情を作ります。
⑥仕上げに筋を入れ、花心を添える
花びらと花びらの境目がはっきりとわかるようにさらに筋を入れ、中央に花心として少量の白あんを乗せます。
完成!
次回は、誌面で紹介しているもう一種類の「菊」をご紹介します。
教えてくれたのは……
永用昌也さん
「菓子司 百舟(ももふね)」主宰。
100年以上続く和菓子店の3代目として生まれ、約20年にわたって和菓子の技術を磨く。数百年の歴史を経て先人がつくり上げた和菓子の素晴らしさや伝統技術を100年先にも残すため、ワークショップやイベントを中心に和菓子の魅力を伝えている。
季節の上生菓子を作る和菓子ワークショップ
自由学園明日館(Rm1925)にて
7,700円〜(名/税込)
※開催日、時間は以下のサイトを参照時間は開催日により異なります。
撮影/平岡尚子
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