【奈良のおすすめホテル】一日一客の宿「翠門亭」で人気盆栽店「塩津植物研究所」のモダン盆栽を堪能!
暮らしに“山の景色”を 自分好みの盆栽をハント
盆栽欲しい気持ちが高まるなか、庭のギャラリーへ。母屋とは打って変わって、モードな雰囲気ですが、そういう空間でも、塩津さんの盆栽、かっこいい(すっかりファン)。
ギャラリーに並んでいたなかの私好み。たぶん、ちょっとひねくれてる盆栽が好きみたいですね、私。
北条さんと塩津さんのお話を伺いながら庭から母屋を眺めていて、「あ、『Casa BRUTUS』(マガジンハウス)の表紙だ」と、何で見かけたんだったか思い出しました。
母屋に戻り、サロンへ。ガラスケースに盆栽、こういう余白が空間を贅沢に見せてくれるんだろうなぁ。
サロンでは、『盆栽ごよみ365日』も販売されていました。塩津さんが2年がかりで写真を撮りため、妻の久実子さんが言葉を添えた労作で、本当に365日分の盆栽が載っています。右はカフェラウンジで気になった盆栽です(やっぱりちょっとクセがある子が好き)。
最終的に購入したのは、こちら。うなだれたヤイトバナです。今、ピロローンとツルが伸びてきてます。
塩津さんによれば、あまり盆栽にすることの少ない植物だそう(「ヘクソカズラ」って名前の方がよく知られているぐらいですから)。海外向けのマッチョな盆栽というわけではないけれど、何年もかけて植物の個性を伸ばし、“用の美”として育て上げられた塩津さんの盆栽たちは、実に表情豊かです。
ところでこちらは、奈良が誇る名庭「依水園(いすいえん)」。若草山と東大寺大仏殿を借景に、なんとものびやかな庭です。
江戸時代に奈良晒(麻布ですね)で財を成した清須美道清(きよすみどうせい)が別邸と庭を整えたことに始まり、これを受け継いで庭を完成させたのが関藤次郎さん。明治期の奈良で活躍した実業家であり、茶人でもあった関藤次郎の雅号「翠門翁」が、翠門亭の名の由来なんです。
今に残る素晴らしい建築や庭は、その時々にそこを守り、大切にしようとする人の志があってこそ受け継がれていくもの。翠門亭として生まれ変わるまでのこの建物も、主人を変えながら住み継がれてきたそう。先人たちのスピリッツに対するリスペクトを込めつつ、単に古民家再生にとどまることなくアップデートする北条さんのリノベーション建築を体験できる場としても貴重。
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