“ムーミン”の世界を楽しむ映画3選
『TOVE/トーベ』© 2020 Helsinki-filmi, all rights reserved
8月9日は、世界中で愛されている“ムーミン”の生みの親、トーベ・ヤンソンの誕生日(1914年8月9日生~2001年6月27日没)です。ムーミントロール、ムーミンパパ、ムーミンママ、リトルミイ、スナフキン、そのほかにもたくさんの個性的な生き物たちが登場する不思議な物語は、いつ見ても楽しくて、新たな発見があります。そこで今回は、トーベ・ヤンソンの半生を描いた作品とムーミンのアニメーション映画を紹介します。
目次
自由を渇望し愛に生きたアーティスト、トーベ・ヤンソン
『TOVE/トーベ』
『TOVE/トーベ』© 2020 Helsinki-filmi, all rights reserved
ムーミンの原作者トーベ・ヤンソンの若い頃を中心に、その半生と創作の秘話を描いた映画。白くて丸っこくておっとりしたムーミンのイメージとは異なる、自由奔放で情熱的なトーベの姿に良い意味で裏切られる作品です。フィンランド出身の女性監督ザイダ・バリルートが監督を務め、アルマ・ポウスティがトーベ役を演じています。
『TOVE/トーベ』© 2020 Helsinki-filmi, all rights reserved
第二次世界大戦下のフィンランド・ヘルシンキ。激しい戦火のなか、トーベ・ヤンソンは自分を慰めるように、「ムーミントロール」の物語を細々と描き始めます。父は有名な彫刻家で母は商業画家という芸術家の両親のもとに生まれたトーベは、自身も絵画に打ち込むものの、父との軋轢や保守的な美術界との葛藤のなかで、満たされない日々を過ごしていました。
『TOVE/トーベ』© 2020 Helsinki-filmi, all rights reserved
若い芸術家たちとのパーティや恋愛に明け暮れていたトーベですが、1946年のある日、舞台演出家のヴィヴィカ・バンドラーと出会い、恋に落ちます。当時のフィンランドでは禁じられていた同性愛に身を投じたことでさらなる葛藤を抱えますが、この激しい恋が彼女のその後の人生やムーミンなどの作品に大きな影響を及ぼしたことは間違いありません。
自立と自由を渇望し、自分に正直に生きようとしたアーティストの半生記として見ごたえのある作品です。
『TOVE/トーベ』
2020年製作
DVD ¥4,290
発売元:クロックワークス
販売元:ハピネット・メディアマーケティング
© 2020 Helsinki-filmi, all rights reserved
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。
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