【森田剛さんインタビュー】「身近な存在を大事にして、感謝する。そこから演じるための力も湧いてくる」
唯一無二のたたずまいで、多くの難役をものにしてきた森田剛さん。舞台『ヴォイツェック』では、演出家・小川絵梨子さんと初タッグを組み、過去のトラウマを抱えながらも、愛を乞う主人公を演じます。稽古を控え、新たな挑戦に向かう今の心境を伺いました。
目次
【森田剛さんインタビュー】「身近な存在を大事にして、感謝する。そこから演じるための力も湧いてくる」
自分に負荷をかけて、限界を超えたい
『ヴォイツェック』は、ドイツの劇作家、ゲオルク・ビューヒナーによる未完の戯曲。これまでも時代を超えて演じられてきた名作で、今回は『ハリー・ポッターと呪いの子』などで知られる劇作家、ジャック・ソーンの翻案をもとに、現代的に解釈された『ヴォイツェック』が描かれます。
「好きな感じの作品だな、と感じましたね。翻訳ものはどうしても違和感が先に出てしまうけど、その違和感の“楽しみ方”というのもあるはずなんですよね。日本語の会話だと照れくさい言葉が、思い切って言えることもあるし」
演じるイギリス人兵士・ヴォイツェックは、幼少期のトラウマや戦時下でのPTSDに苦しみながら、懸命に生きる人物。彼の抱えている不安や恐れは、普遍的なものだと語ります。
「誰でも傷ついたり、悩んだりした経験は少なからずあると思うので、そこをどれだけ膨らませられるか。ヴォイツェックの純粋な部分って、どうしても大人になるとなくなってしまったり、霧がかかった感じになってしまったり。でも自分も彼のようにまっすぐで一途な人間でありたいと思うし、そういう役に興味もある。彼の“壊れ方”が鍵になるだろうから、そこを醜くも美しく、生々しく表現したいと思っています」
本来は善良な人間である彼が、幻覚とフラッシュバックによって徐々に追い詰められ、破綻していく……。身体的にも精神的にもハードな役どころとなりそうです。
「“自分に負荷がかかる役”というのは、ありがたい。大変だけど、やりがいがあるんです。自分ひとりでは無意識のうちにストッパーみたいなものがかかっていて、なかなか外せないから、役を通じてそれを外すことができる気がします。やっぱり演じるときは、自分の想像を超えたいし、それはどの役でも同じ。今までも、演出の方に言われた言葉や共演した人たちに影響を受けて、自分なりに役をやれたという経験があるので。今回も、そういう濃い時間を過ごすのかなと思います」
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